就活生が押さえておきたいウシオ電機の将来性について経営戦略をもとに詳細に解説!

目次

はじめに

こんにちわ!
悩める就活生のために企業分析を行うReiです。

今回は「光」に関する製品を提供するウシオ電機の将来性について評価いたします。

本題に入る前に将来性の評価方法については以下の記事をご参照ください。

今回は2023年5月12日に発表された「2023年3月期決算」をもとにウシオ電機の将来性について解説していきます。

ウシオ電機の事業内容と業績

光源事業について

液晶やプロジェクター向けのランプを販売

光源事業はUVランプ、シネマ用ランプなどランプの販売を主軸とする事業になります。

UVランプは半導体、液晶パネルや電子部品などの製品に用いられています。
シネマ用ランプは映画館用ランプや大型プロジェクター向けなどを提供しています。

2022年は好調な業績

それでは光源事業の直近4年間の業績を見ていきましょう。

2022年度はコロナ以前の2019年度と比べるとよりよい業績を納めました。

業績が好調な要因としては映画館向けのランプの販売数が徐々に回復してきたからです。
また他にもイベントなどで用いられるプロジェクターの受注などコロナからの回復による恩恵が大きいようです。

装置事業について

工業、民間の2部門に分かれる

装置事業はUV装置やキュア装置、映像装置などを提供している事業です。
光源事業のランプを用いて実際に使われる装置を製造している事業と考えればわかりやすいです。

主に半導体チップ基盤の製造装置を販売する光学装置部門、映画館向けの装置を販売する映像装置部門の2つに分かれています。

2部門ともに製品がよく売れた

それでは装置事業の業績について見ていきましょう。

装置事業は売上高、営業利益ともに2019年度の水準を上回る好業績を納めました。

半導体分野の設備投資が旺盛であり、客足が戻った映画館などシネマ向け装置の販売も増加したことが好調の要因だったようです。

ウシオ電機の経営戦略

ウシオ電機が発表した経営戦略の中でも大きなトピックスは2つあり、これらについて見ていきましょう。(参照:ウシオ電機

事業を再編成し新たなウシオ電機に

新たな4つの事業について

まずはウシオ電機が発表している今後の事業内容について見ていきましょう。(参照:ウシオ電機

今までは2つの事業(光学装置、映像装置は合わせて1事業)からなっていたウシオ電機は、新たに4つの「Industrial Process」「Visual Imaging」「Life Science」「Photonics Solution」を立ち上げました。

まずは事業編成における重要なポイントを見ておきましょう。

事業編成における2つのポイント

1つ目は「固体光源」が一つの事業Photonics Solutionとして独立した点です。

固体光源は、現状半導体の製造に用いられる紫外レーザーよりもエネルギー効率が高く、高精度なレーザーとして知られています(参照:NEDO

つまり高精度・高効率を実現した半導体製造用のレーザーとして注目されており、独立はウシオ電機が期待している証拠でもあります。

また2つ目はLife Scienceと呼ばれる事業も設立された点です。

この分野は光を用いて、人々の健康のサポートや地球環境の保護を目的とした製品の開発・販売を行います。
医療や食料、気候変動など近年では話題になる分野に介入するようです。

それでは各分野に対しどのような投資を行っていくのか見ていきましょう。

投資戦略について

ではウシオ電機が発表している投資戦略について見ていきましょう。(参照:ウシオ電機

総計1000億円以上をM&A、R&D、人材投資に充て成長を画策しているようです。

R&D・・・該当する技術の情報収集や技術力の向上を目指すこと

特にこのR&D投資がウシオ電機の長期的な成長力に直結する項目になります。
内容を見てみると半導体製造に用いるEUV光源への投資や新規事業である固体光源、Life science事業への投資も考えているようです。

それでは細かい経営戦略も紹介しながら、ウシオ電機の中期的、長期的な将来性について解説していきましょう。

ウシオ電機の将来性について

ウシオ電機の中期的(~5年)、長期的(5年~)の将来性について解説していきます。
まずは中期的な将来性について見てきましょう。

中期的な将来性が期待できる2つの理由

ウシオ電機の中期的な将来性は期待できると考えています。
その2つの理由について見ていきましょう。

国が主導で半導体への投資を盛り上げる

2023年5月18日に岸田首相は海外半導体大手7社を招集し、日本への投資拡大を呼びかけました(参照:日本貿易振興機構
海外半導体大手は日本政府の支援を前提として日本への投資を確約しています。

具体的な支援額は明らかになっていませんが、停滞していた半導体投資が一気に活発化することは間違いないでしょう。

海外企業が日本に半導体工場を作るということは、それだけの設備を用意する必要があるためウシオ電機のような半導体設備を製造する企業にとっては棚から牡丹餅を得たような話です。

そしてその絵にかいたようなおいしい話が実現かしようとしている点が2つ目の理由です。

マイクロン社の大規模投資でウシオ電機がさらに成長

この日本政府の招集を機にマイクロン社はEUV技術を利用した半導体工場を最大5000億円を投資して広島市に設立することを発表しました。(参照:マイクロンテクノロジー

この大規模投資と関連性が高いのがウシオ電機です、

EUV技術といえば露光技術の最先端であり、ウシオ電機がこれまで尽力してきた分野になります。
この投資が本格的に始動すれば、ウシオ電機の半導体装置の売り上げはは大幅に増加することが考えられます。

その期待は株価にも現れており、5月18日にはウシオ電機の株価が1700円台から1900円弱まで上昇しました。

それだけこの発表が日本、世界に注目されている証拠であり、これからのウシオ電機の成長が期待できることがわかります。

したがって半導体事業の大幅な成長が期待できることからウシオ電機の中期的な将来性は期待できると結論付けました。

長期的な将来性が不透明な2つの理由

ウシオ電機の長期的な将来性は不透明であると考えています。
この2つの理由について説明していきましょう。

Life science事業の成長幅が不明瞭

ウシオ電機はLife science事業を成長事業の1つとして投資をしていくとしています。
しかし現状では成長する見通しが立っておりません

その理由はLife science事業で提供している製品にあります。(参照:ウシオ電機

上図の通り、衛生環境を整えるための除菌技術やヘルスケア関連分野への拡大を目指しているようです。

除菌技術はコロナ最盛期から最近まで非常に注目を集めている分野でした。
しかし現状ではコロナに関する製品の需要は落ち着き、これから注目を浴びる可能性が高いとは言えません。

まだまだ開発段階なのでこれからに期待すべきですが、人々の注目を得られるような付加価値や事例がないと業績は伸びないと考えられます。

長期的な成長を見込める事業が少ない

またウシオ電機には長期的な成長を見込める事業が少ないことも将来性が不透明な理由の1つです。

現状のウシオ電機で成長が見込めるのは半導体分野のみとなっています。
もちろん半導体分野により一定の業績は担保できますが、半導体事業への依存度が高くなります。

もし半導体事業の業績が悪化すれば、ウシオ電機の全体業績も一気に低下してしまいます。
それを防ぐためにも新たな成長事業の創出は必要でしょう。

したがって、現状では成長事業が少ないウシオ電機の長期的な将来性は不透明であると結論付けました。

ウシオ電機の採用情報まとめ

まずはウシオ電機の採用情報・特徴について簡単にまとめました。

  • 勤務地は都市部中心(東京・横浜・大阪・京都など)
  • 入社一年目から海外出張・海外法人とのテレビ会議あり(部署による)
  • 語学の学習意欲は高い方がいい
  • エントリーには会社説明会・Webセミナーの参加が必須

まず注目したいのは勤務地についてです。
基本的には上記のような都市部に事業所・工場が集中しています。

仮に地方になったとしても御殿場(静岡)・姫路(兵庫)となっています。
これは多くの就活生にとってうれしい情報ですね。

他には海外出張や転勤についても触れておきたいです。
海外顧客が多いため、必然的に海外法人とのやり取りが多くなる企業のはずです。

そのため現在の語学力が合否に直接関係はしにくいかもしれませんが、学習意欲が高い方はいい評価をされる可能性が高いです。

ぜひ海外転勤や出張に興味のある方はそれをアピールしてみるとよいかもしれません。

詳細はウシオ電機の採用ページに記載されているので是非チェックしてみてください。

最後に

今回紹介したウシオ電機は光関連の製品を多く扱う企業でした。

記事を書いているタイミングでマイクロン社のビックニュースが飛び込んできたのでとてもびっくりしました。

今後の成長については要チェックの企業になりますが、安定力はあると思います。
ウシオ電機に入社して私が成長事業を創出するんだという意気込みがある人は、ぜひ採用ページを確認してみてください。

それではまた次回に!

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