「東亞合成はアロンアルフア以外に何を作っているのか」「成長投資は利益につながるのか」を知るため、5つの事業、3年業績、2026年上期、中期経営計画を確認します。最後に、就職・転職候補に残す、他社と比べる、候補から外す、ここで判断を終えるのどれにするかを決めます。
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結論|東亞合成には将来性があるが、成長投資の収益化は確認が必要
公式発表2025年12月期の売上高は1,623.12億円、営業利益は141.80億円でした。2023年から営業利益は16.81億円増え、営業利益率も7.8%から8.7%へ改善しています。2026年上期は売上高824.05億円、営業利益79.12億円となり、前年同期比で2.6%増収、12.7%増益でした。
基幹化学品が現在の最大利益源で、樹脂加工製品の利益も伸びています。
3年間で営業利益が増え、営業利益率は7.8%から8.7%へ改善しました。
前の中期計画で遅れた投資回収を進め、営業利益目標へ届くかが焦点です。
基幹化学品だけでなく、ポリマー・オリゴマー、接着材料、高機能材料、樹脂加工製品も黒字です。一方、前中期計画では3年間に706億円を設備投資したものの、2025年の営業利益は目標200億円に対して141億円でした。現在は成長分野へ投資する段階から、半導体・モビリティ・メディカルなどへの投資を利益へ変える段階に入っています。
東亞合成の事業内容|基幹化学品から半導体材料まで5事業を展開
東亞合成は、産業の土台となる化学品から、電子材料、接着剤、インフラ・介護用品まで扱います。アロンアルフアは事業の一部で、会社の利益は複数事業から生まれています。
カセイソーダ、アクリル酸エステル、工業ガスなどです。水処理、建材、自動車、電子分野を支える最大利益源です。
アクリル系ポリマー、アロニックス、凝集剤などです。半導体、自動車、医薬・化粧品、水処理へ広がります。
アロンアルフアや機能性接着剤です。日用品、スマートフォン、自動車、電子部品に使われます。
半導体用の高純度無機製品、電子材料、機能性添加剤、医療関連技術などです。
管工機材、生活・介護用品、エラストマー製品です。インフラ老朽化対策にも関わります。
東亞合成の将来性を判断する5つの視点
「半導体市場が伸びる」「有名な商品がある」という情報だけでは、就職・転職候補に残せるか判断できません。現在の利益と、これからの投資回収を分けて確認します。
どの事業が売上と利益を支え、市場の偏りがないか。
売上の増減だけでなく、営業利益と利益率が改善しているか。
半導体、モビリティ、メディカル、環境インフラが実際の利益へつながっているか。
新設備へ投資しながら、低収益事業の合理化と固定費の管理を進められるか。
2028年の利益目標だけでなく、投資効率と事業別目標へ近づいているか。
事業別3年業績|基幹化学品が利益を支え、樹脂加工製品が伸長
会社業績と事業別業績を別々に繰り返さないよう、連結合計も同じ表に入れています。単位は億円で、公式資料の百万円単位を換算しました。
| 事業 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 3年の読み方 |
|---|---|---|---|---|
| 基幹化学品 | 734.88/67.69 | 791.45/85.01 | 717.72/87.52 | 2025年は減収でも増益。最大利益源を維持 |
| ポリマー・オリゴマー | 337.65/31.82 | 351.87/37.79 | 361.69/30.18 | 売上は伸びたが、2025年の利益は低下 |
| 接着材料 | 124.10/3.61 | 133.44/4.09 | 136.07/3.23 | 知名度に対して利益規模と利益率は小さい |
| 高機能材料 | 99.43/15.47 | 101.96/12.75 | 102.25/11.77 | 売上は横ばいで、利益は2年連続低下 |
| 樹脂加工製品 | 278.67/14.73 | 277.02/17.61 | 281.77/27.54 | 営業利益は3年間で約1.9倍 |
| その他・調整 | 18.96/▲8.54 | 20.18/▲14.93 | 23.60/▲18.45 | 全社合計と各事業の差を隠さないため掲載 |
| 連結合計 | 1,593.71/124.99 | 1,675.94/142.33 | 1,623.12/141.80 | 営業利益率は7.8%→8.5%→8.7% |
2023年の資料では、サステナビリティ関連事業を基幹化学品からその他へ移す区分変更が反映されています。表は各公式資料で比較表示された同じ事業区分を使用しています。
基幹化学品が現在の利益を支えている
2025年は減収でも価格是正などで増益となり、全社営業利益の約62%を生みました。ただし、アクリル酸エステルの海外市況、原料価格、設備修繕で利益が動きます。
樹脂加工製品は3年間で利益が大きく改善
営業利益は2023年の14.73億円から2025年の27.54億円へ増え、インフラ老朽化対策製品の販売増などが寄与しました。一方、成長分野へつながるポリマー・オリゴマーと高機能材料は2025年に減益でした。市場期待だけでなく販売数量と採算を見ます。
前年同期比2.6%増収、12.7%増益で、利益率は9.6%です。ポリマー・オリゴマー、高機能材料、樹脂加工製品が増益となる一方、基幹化学品はアクリルモノマーの数量減と定期修理費で減益でした。
会社は2026年通期予想を売上高1,700億円、営業利益155億円へ上方修正しました。上期の伸びをそのまま長期成長とせず、下期の販売数量、原料・物流費、為替まで確認します。
出典:東亞合成「2023年12月期決算説明会資料」「2025年12月期決算説明会資料」「2026年12月期上期決算説明会資料」。
成長4分野|半導体・モビリティ・メディカル・環境インフラを確認
東亞合成は、半導体、モビリティ、メディカル、環境インフラを注力分野としています。4分野すべてが現在の利益へ同じ程度に貢献しているわけではありません。
| 分野 | 主な製品・取り組み | 現在確認できること | 次に確認すること |
|---|---|---|---|
| 半導体 | 高純度液化塩化水素、高純度カセイカリ、CMP用アクリルポリマーなど | 2026年上期はポリマー・オリゴマーと高機能材料が増益 | 増設設備の稼働、販売数量、事業利益への継続寄与 |
| モビリティ | リチウムイオン電池用バインダー、車載接着剤、ポリマー、エラストマー製品 | EV・ハイブリッド車・燃料電池車など幅広い車種向けに開発 | EV市場の成長鈍化下でも採用と採算を伸ばせるか |
| メディカル | siRNA、薬を目的の場所へ届けるDDS技術、歯科材料 | 大学・ベンチャーとの共同開発を進める段階 | 非臨床・臨床・製品化へ進み、利益につながるか |
| 環境インフラ | 下水道管路の調査・補修、耐震・防災製品、管工機材 | 樹脂加工製品の営業利益が3年間で改善 | 製品販売から継続的な提案・サービス収益へ広がるか |
データから分かること足元で利益の改善が見えるのは、半導体関連を含むポリマー・オリゴマーと高機能材料、環境インフラを含む樹脂加工製品です。
- 半導体:CMP用ポリマーなどを扱います。CMPは半導体表面を平らにする工程です。市場成長率より出荷量と利益を見ます。
- モビリティ・メディカル:EV成長の鈍化は投資回収を遅らせました。siRNAと、薬を目的の場所へ届けるDDSは開発段階を確認します。
- 環境インフラ:下水道の調査・補修まで提案します。樹脂加工製品の増益につながっている点を評価します。
出典:東亞合成「中期経営計画」「Connect and Create 2028説明資料」。
Connect and Create 2028|営業利益180億円へ、投資回収が焦点
東亞合成は、2026~2028年の中期経営計画「Connect and Create 2028」で、2028年に売上高1,800億円、営業利益180億円、営業利益率10.0%を目標にしています。目標を見る前に、前中期計画の結果を確認する必要があります。
前中期計画は、投資が進んでも利益目標に届かなかった
実績1,623億円
達成度89%
実績141億円
達成度71%
実績706億円
投資後の収益化が遅れました。
会社は未達要因として、AI向け以外の半導体市場の回復遅れ、EV成長の鈍化、固定費の増加を挙げています。投じた資金に対して十分な利益へ届いていないことも説明しています。
新設備が動き、販売量が増え、固定費を上回る利益を生んで初めて成果になります。新中期計画では、前の3年間に行った投資の収益化が最初の確認点です。
2028年の増益は、ポリマー・オリゴマーが中心
| 指標 | 2025年実績 | 2028年計画 | 確認点 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 1,623億円 | 1,800億円 | 3年間で177億円増 |
| 営業利益 | 141億円 | 180億円 | 3年間で39億円増 |
| 営業利益率 | 8.7% | 10.0% | 1.3ポイント改善できるか |
| 設備投資 | 2023~2025年 706億円 | 2026~2028年 590億円 | 成長投資58%、効率化投資20%、その他22% |
| 研究開発費 | 67億円 | 72億円以上 | 売上高比4%以上を維持 |
| ROE | 6.0% | 6.5% | 利益拡大と資本活用を同時に進める |
| 自己資本比率 | 74.3% | 70%程度 | 財務余力を使いながら健全性を維持 |
基幹化学品の営業利益は87億円から80億円へ下がる一方、ポリマー・オリゴマーは30億円から56億円へ増える計画です。全社の増益39億円のうち26億円を同事業が担うため、半導体、車載電池、医薬・化粧品向けの収益化が計画達成を左右します。
成長事業の販売量と利益率が上がるか、固定費の増加を吸収できるかを確認します。全社営業利益180億円だけでなく、事業別営業利益とROEも合わせて確認しましょう。
原料価格と為替も利益を動かす
2026年予想では、ナフサ価格が1キロリットル当たり1,000円動くと営業利益へ約2.5億円、1米ドル当たり1円の円安で約1億円の減益影響を見込みます。円安が常に追い風になる会社ではありません。
出典:東亞合成「Connect and Create 2028説明資料」「2026年12月期上期決算説明会資料」。
東亞合成の将来性評価|安定収益は強いが、新事業の利益化を確認
ここまでの公式発表と数値を、最初の5つの視点へ戻して評価します。
| 評価軸 | 現時点の評価 | 判断根拠 | 次に確認する数字 |
|---|---|---|---|
| 収益基盤 | 安定 | 基幹化学品が87.52億円の営業利益を生み、主要5事業が黒字 | 事業別営業利益 |
| 利益成長力 | 緩やかに改善 | 営業利益は124.99億円から141.80億円、利益率は7.8%から8.7%へ改善 | 通期営業利益率 |
| 成長分野の収益化 | 一部進展 | 2026年上期はポリマー・オリゴマー、高機能材料、樹脂加工製品が増益。メディカルは開発段階 | 販売量、設備稼働、事業利益 |
| 投資・事業整理 | 投資先行 | 前中計の設備投資706億円に対して営業利益目標は未達。新中計でも590億円を投資予定 | 設備投資、固定費、フリーキャッシュフロー |
| 中期計画の達成 | 確認中 | 2028年営業利益180億円には、ポリマー・オリゴマーの30億円から56億円への増益が必要 | 事業別目標、ROE |
基幹化学品が現在の利益を支え、樹脂加工製品の利益は3年間で大きく改善しました。2026年上期にはポリマー・オリゴマーと高機能材料も増益しています。ただし、前中期計画では投資額が計画を上回っても営業利益目標に届きませんでした。評価を一段上げる条件は、半導体・モビリティなどへの投資を、2028年営業利益180億円と利益率10%へ結びつけることです。
東亞合成を候補としておすすめできる人
- 基幹化学品の安定性と、半導体・モビリティなどの成長を両方見たい人。
- 基礎素材、電子材料、接着剤、インフラ・介護製品へ広がる技術に関心がある人。
- 研究だけでなく、設備立ち上げ、生産性・品質・採算の改善にも関心がある人。
成長事業がすでに会社全体の利益の大半を担う企業、投資回収の遅れが小さい企業、原料・市況の影響が小さい企業を優先する人です。会社の将来性と、自分の専攻・経験・希望勤務地との相性は別に確認してください。
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開校大学は公式サイトで確認できます。希望する企業・職種の先輩が登録されているか、訪問依頼が承諾されるかは、企業・職種・時期によって変わります。
確認日:2026年9月6日。通期比較は2023~2025年12月期、最新進捗は2026年8月7日公表の2026年12月期上期を使用しています。

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