SCREENホールディングスは、半導体洗浄装置で高い世界シェアを持つ会社です。一方、利益の多くを半導体製造装置が占めるため、半導体メーカーの設備投資で業績が動きます。事業別の強みと注意点から、応募を検討するか他社と比べるかを選べます。
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結論|洗浄装置の収益力は高いが、半導体投資への利益集中に注意
SCREENホールディングスは、世界トップシェアの半導体洗浄装置と高い利益率を重視する人に向いていますが、半導体製造装置に利益が集中している点には注意が必要です。
| 判断項目 | 評価 | 要点 |
|---|---|---|
| 収益基盤 | 強い | 2026年3月期は半導体製造装置が連結売上高の約8割を占め、同事業の営業利益率は25.2%でした。 |
| 成長分野 | 進展 | AI・HBM向けの洗浄需要に加え、ウエハー接合技術と米国の研究拠点へ成長領域を広げています。 |
| 確認点 | 変動あり | 顧客の設備投資で業績が動きやすく、GA・PEの利益率低下も続いています。 |
事業内容|半導体洗浄装置を中心に4事業を展開
SCREENホールディングスは持株会社で、製品の開発・製造・販売は主に事業会社が担います。売上高と利益の中心は半導体製造装置ですが、印刷、ディスプレー、プリント基板向けの装置も手掛けています。
| 事業 | 主な製品と役割 |
|---|---|
| SPE 半導体製造装置 | ウエハー上の汚れや薬液を除く洗浄装置が主力です。塗布・現像、熱処理、検査・計測などの装置も扱います。 |
| GA グラフィックアーツ | デジタル印刷機、印刷版を作るCTP装置、印刷用ソフトウエア、ヒラギノフォントを提供します。 |
| FT ディスプレー・成膜 | 液晶・有機ELディスプレーの製造装置や、リチウムイオン電池などへ応用する成膜装置を扱います。 |
| PE プリント基板関連 | プリント基板の回路形成に使う直接描画装置、露光装置、検査・測長装置を提供します。 |
ウエハーの洗浄工程は、半導体の製造中に何度もあります。回路の微細化や積層化が進むほど洗浄の回数と難易度が高まり、SCREENの技術が必要になる場面も増えます。
SCREENホールディングスの将来性を見る5つのポイント
- 収益基盤:洗浄装置の高いシェアが、売上高と利益率を支え続けるか。
- 利益の変化:半導体製造装置の需要変動があっても、連結営業利益率20%前後を保てるか。
- 成長分野の収益化:AI・HBM・先端パッケージ向けの需要を、装置の採用と売上へつなげられるか。
- 研究開発・生産能力:ウエハー接合、海外研究拠点、生産設備への投資が、新製品と供給力の向上につながるか。
- 中期計画の進捗:既存の洗浄装置を伸ばしながら、他事業の収益性も高められるか。
事業別3年業績|利益を支えるのは半導体製造装置
2026年3月期は、連結売上高6,057億円、営業利益1,225億円、営業利益率20.2%でした。前年より減収減益となりましたが、20%台の営業利益率を維持しています。
| 事業 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 連結合計 | 売上高 5,049億円営業利益率 18.6% | 売上高 6,252億円営業利益率 21.7% | 売上高 6,057億円営業利益率 20.2% |
| SPE 半導体製造装置 | 売上高 4,176億円営業利益率 23.2% | 売上高 5,195億円営業利益率 26.4% | 売上高 4,859億円営業利益率 25.2% |
| GA グラフィックアーツ | 売上高 477億円営業利益率 9.0% | 売上高 530億円営業利益率 8.1% | 売上高 574億円営業利益率 6.3% |
| FT ディスプレー・成膜 | 売上高 232億円営業利益率 -1.8% | 売上高 358億円営業利益率 8.5% | 売上高 447億円営業利益率 19.2% |
| PE プリント基板関連 | 売上高 146億円営業利益率 12.7% | 売上高 141億円営業利益率 7.5% | 売上高 145億円営業利益率 2.6% |
SPEは2026年3月期に減収減益となったものの、営業利益率25.2%でグループの利益を支えました。FTは赤字から営業利益率19.2%まで改善した一方、GAとPEは売上高の伸びを利益率の改善へつなげられていません。
連結合計には、セグメント間取引の消去やその他事業が含まれるため、各事業の合計とは一致しない場合があります。出典:SCREENホールディングス「財務ハイライト」。
中期計画|洗浄装置のシェア拡大とウエハー接合を成長へつなげられるか
中期経営計画「Value Up Further 2026」は、2025年3月期から2027年3月期までの3年間を成長投資の期間としています。3年間の累計売上高1.8兆円以上、通算営業利益率19%以上を目標とし、2033年3月期には年間売上高1兆円以上、営業利益率20%以上を目指しています。
| 見る項目 | 会社の方針・現在地 |
|---|---|
| 洗浄装置 | 世界トップシェアを持つ洗浄装置を収益の中心とし、先端ロジックやメモリーに加えて、幅広い用途へ製品群を広げています。 |
| AI・HBM | AIサーバー向けの高速メモリー(HBM)を中心とする先端投資を成長機会としています。積層する半導体の製造工程で、洗浄・計測などの需要を取り込みます。 |
| ウエハー接合 | ニコンから、複数の半導体をつなぐウエハー接合技術の研究開発事業を譲り受け、先端パッケージ分野の新しい装置につなげようとしています。 |
| 研究開発・生産 | 米国ニューヨーク州に半導体プロセスの研究開発拠点を設けました。2027年3月期は研究開発費と設備投資額をそれぞれ430億円と見込んでいます。 |
| 最新の進捗 | 2027年3月期第1四半期は売上高1,218億円、営業利益144億円、営業利益率11.8%で減収減益でした。通期は売上高7,430億円、営業利益1,565億円、営業利益率21.1%を予想しています。 |
第1四半期の利益率は通期予想を下回っています。今後は、先端半導体向けの需要が売上高へ表れ、通期で20%を超える利益率へ戻せるかが焦点です。
研究開発費と設備投資額は、2026年3月期の378億円・277億円から増える計画です。投資額の大きさに加え、洗浄装置のシェア拡大、ウエハー接合装置の採用、GA・PEの利益率改善まで見ておきたいところです。
出典:中期経営計画「Value Up Further 2026」、トップメッセージ、2027年3月期第1四半期決算資料、財務ハイライト。
将来性評価|5つのポイントで見るSCREENの強みと注意点
| 評価軸 | 評価 | 判断理由 | 今後の確認点 |
|---|---|---|---|
| 収益基盤 | 強い | 半導体洗浄装置で世界トップシェアを持ち、SPEの営業利益率は3期連続で20%を超えました。 | 競合製品や顧客の内製化が進んでも、洗浄装置のシェアと価格競争力を保てるか。 |
| 利益の変化 | 高水準 | 連結営業利益率は2024年3月期18.6%、2025年3月期21.7%、2026年3月期20.2%でした。 | 最新四半期で11.8%まで低下した利益率を、通期予想の21.1%へ戻せるか。 |
| 成長分野の収益化 | 進展 | AI・HBM向けの先端投資を取り込み、2027年3月期は過去最高の売上高と営業利益を予想しています。 | AI以外の半導体需要も回復し、通期予想が受注と売上高へ表れるか。 |
| 成長投資の成果 | 要確認 | ウエハー接合技術の取得、米国研究拠点の新設、研究開発費・設備投資の増額を進めています。 | 新技術が量産装置として採用され、投資額に見合う売上高と利益を生み出せるか。 |
| 中期計画の進捗 | 進展 | 2026年3月期まで高い利益率を維持し、最終年度は売上高・営業利益とも過去最高を見込んでいます。 | 最終年度の通期予想を達成し、SPE以外の事業も利益を伸ばせるか。 |
AI・HBMを支える洗浄技術、先端パッケージ、海外顧客との共同開発に魅力を感じ、世界シェアと研究開発力を重視する人です。
半導体の設備投資に左右されにくい事業構成や、複数事業による利益の安定性を重視する人です。デバイス・材料メーカーと比べると業績が動く理由も分かります。
SCREENには4事業がありますが、2026年3月期のSPE営業利益は1,227億円で、連結営業利益1,225億円と同程度でした。事業の数だけで分散していると考えず、利益を生んでいる事業を見ることが大切です。
成長の中心は洗浄装置ですが、ウエハー接合と海外研究拠点への投資も始まっています。既存製品のシェアを守りながら、新しい装置を量産工程へ採用させられるかが、中長期の成長を左右します。
最終判断|SCREENホールディングスへの応募を検討するか、他社と比べるか
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