「NOKはEVが増えても必要とされるのか」「オイルシール以外にも成長分野はあるのか」と知りたい人に向けて、現在確認できる事実を整理します。3年業績、最新四半期、シールと電子部品の利益、イーグル工業との経営統合をもとに、NOKに応募したい、他社と比べる、候補から外す、ここで判断を終えるのどれが自分に合うか考えられるようにまとめました。
結論|NOKには将来性があるが、電子部品と経営統合の成果が今後の明暗を握る
公式発表2026年3月期の売上高は7,384億円、営業利益は330億円、営業利益率は4.5%でした。シール事業は279億円の営業利益を出した一方、電子部品事業の営業利益は前期の89億円から40億円へ減っています。
前期比で減収
2024年3月期の3.1%から改善
売上増でも利益は不安定
油や液体の漏れを防ぐシールは、自動車に加えて建設機械や産業機械にも使われます。一方、薄く曲げられる回路基板のFPCは売上規模が大きいものの、需要・固定費・為替で利益が振れています。イーグル工業との統合も事業の幅を広げますが、利益額や達成時期はまだ示されていません。
この結論を、次の5つの視点から確かめてみましょう。
NOKの将来性を判断する5つの視点
全社の営業利益率が4%台からさらに改善できるか。
エンジン向けの減少を、EVや一般産業向けで補えるか。
FPCの販売増を、安定した営業利益へ変えられるか。
過去の目標未達を踏まえ、利益率を着実に上げられるか。
顧客・技術・拠点の組み合わせが、実際の利益へ表れるか。
NOKの事業|「漏れを防ぐ」と「薄くつなぐ」で幅広い産業を支える
NOKは、油や液体の漏れを防ぐシールと、狭い場所で電子部品をつなぐFPCを中心に扱います。自動車部品会社という見方だけでは、事業の広がりをつかみにくい会社です。
オイルシール、Oリング、ガスケットなどを、自動車、建設・農業機械、鉄道、産業用ロボット、船舶などへ供給します。防振・防音製品は振動や音を抑えます。
見る点:エンジン向けの減少を、EVや一般産業向け、非日系顧客への販売で補えるか。
FPCは、薄く、軽く、曲げられる回路基板です。スマートフォン、車載バッテリー、HDD、カメラ、医療機器など、狭い場所で電気的につなぐために使われます。
見る点:販売増が、固定費や為替の影響を上回り、安定した利益へつながるか。
特殊潤滑剤やアクリルゴムなどを、自動車、産業機械、家電、半導体製造装置向けに供給します。主力より規模は小さいものの、自動車以外への需要分散に役立ちます。
見る点:ロール製品売却後の事業構成と利益の変化。
イーグル工業は、回転機械などの漏れを防ぐメカニカルシールを、自動車・建設機械、一般産業、半導体、舶用、航空宇宙向けに展開しています。
見る点:顧客、材料、拠点の組み合わせが売上だけでなく利益率へ表れるか。
EV化でエンジン専用部品の一部は減る可能性がありますが、「車が電動化すればシールが不要になる」とは言えません。NOKはxEVや燃料電池などに使う製品を成長分野として示しています。ただし、用途別の利益は開示されていないため、EV関連という言葉だけで高成長とは判断できません。
出典:NOK「Business & Product」「統合報告書2025」
全社3年業績|利益率は3.1%から4%台へ改善、直近は減収減益
公式発表同じ通期で比べると、売上高は7,000億円台後半で推移しています。営業利益率は2024年3月期の3.1%から改善しましたが、2026年3月期は前期より売上高と営業利益が減りました。
| 年度 | 売上高 | 営業利益 | 営業利益率 | 読み取れること |
|---|---|---|---|---|
| 2024年3月期 | 7,505 | 229 | 3.1 | 利益率は低い水準 |
| 2025年3月期 | 7,669 | 373 | 4.9 | 3年間で最も高い営業利益 |
| 2026年3月期 | 7,384 | 330 | 4.5 | 利益率は改善後も伸び悩む |
2025年3月期は価格転嫁、つまり原材料費などの上昇分を販売価格へ反映したことや、電子部品の黒字化が利益を押し上げました。2026年3月期は電子部品の減収減益が響き、全社でも減収減益です。3年前より改善した事実と、直近で勢いが弱まった事実を分けて見る必要があります。
2027年3月期第1四半期は増収増益、通期予想は統合前のNOKが対象
前年同期比5.5%増
前年同期比9.3%増
公表値から計算
営業利益率4.6%
最新1Qはシール事業の増益により、全社でも増収増益でした。会社は2027年3月期の売上高7,566億円、営業利益350億円という予想を据え置いています。ただし、この予想は2026年10月に予定する経営統合前のNOKが対象です。
出典:NOK「2025年3月期決算短信」「2026年3月期決算短信」「2027年3月期第1四半期決算短信」
事業別3年業績|シールが利益を支え、電子部品は黒字定着が課題
NOKは売上規模だけを見ると、シールと電子部品がどちらも大きい会社です。ただし、営業利益ではシールへの依存がはっきりしています。
| 事業 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 現在の見方 |
|---|---|---|---|---|
| シール | 3,626/233 | 3,627/262 | 3,674/279 | 利益が3年連続で増加 |
| 電子部品 | 3,598/△10 | 3,710/89 | 3,451/40 | 黒字化後も利益変動が大きい |
| その他 | 281/6 | 332/21 | 259/11 | ロール製品売却で構成が変化 |
シール事業は、2026年3月期に売上高3,674億円、営業利益279億円でした。売上が大きく伸びなくても利益を増やし、全社の収益を支えています。
電子部品事業は2025年3月期に89億円まで回復しましたが、2026年3月期は40億円へ減少しました。2027年3月期1Qは、スマートフォン、車載バッテリー、HDD向けの販売が増えた一方、固定費やアジア通貨高の影響で22億円の営業赤字です。
営業利益。前年同期比47.5%増
売上は増えても営業赤字
売上高は17億円
NOKの将来性を考えるときは、シールの利益を維持しながら、電子部品が通期で黒字を続けられるかを見ておきたいところです。
2027年3月期1Qから、HDD向けゴム・樹脂製品の一部が電子部品からシールへ移管されています。前年同期は組み替え後の数値で比較されていますが、上の通期3年表と最新1Qは区分が完全には同じではありません。2026年1月に売却したロール製品事業も、2026年3月期は第3四半期までその他事業へ含まれます。
EV対応と経営統合|事業の幅は広がるが、利益効果はまだ確認できない
NOKは2023~2025年度の中期経営計画で利益率改善を目指しましたが、最終年度の実績は当初目標へ届きませんでした。過去の目標と、現在確認できる実績を並べてみましょう。
| 確認点 | 公式発表 | 現在の見方 |
|---|---|---|
| 2025年度目標 | 売上高8,450億円、営業利益575億円、営業利益率6.8% | 2026年3月期実績は7,384億円、330億円、4.5%で未達 |
| 2031年度目標 | 売上高1兆円、営業利益率8%以上 | 統合後も同じ定義で維持するか、新しい計画を確認 |
| 経営統合 | 2026年10月1日にNOK Groupを設立し、NOKとイーグル工業を完全子会社化する予定 | 顧客・技術・拠点の相乗効果は期待段階 |
| 2027年3月期予想 | 売上高7,566億円、営業利益350億円 | 統合前のNOKが対象。統合後の通期業績ではない |
経営統合では、NOKが強いゴムなどの有機材料と、イーグル工業が強い金属・セラミックスなどの技術を組み合わせる方針です。顧客基盤、生産・販売拠点、購買、本社機能の効率化も想定されています。
ただし、統合資料では相乗効果の利益額や達成時期がまだ示されていません。統合によって事業の幅が広がることは事実ですが、利益率が上がるとまでは判断できません。
出典:NOK「統合報告書2025」「NOKとイーグル工業の共同持株会社設立に関する資料」、日本取引所グループ「NOK Group株式会社 新規上場会社概要」
NOKの将来性評価|基盤は強いが、FPCの収益安定と統合効果が条件
ここまでの公式情報を、2026年9月時点の将来性評価としてまとめます。次の評価は公開情報に基づく当サイトの見解で、将来の業績や採用結果を保証するものではありません。
シール事業が利益を維持し、電子部品が需要変動を吸収して黒字を定着させ、経営統合の効果が全社利益率へ表れることが必要です。現時点では、安定基盤を持ちながら収益改善と統合を進める途中の会社と評価します。
| 評価軸 | 現時点の評価 | 判断根拠 | 次に確認すること |
|---|---|---|---|
| 収益基盤 | 強みあり | シール事業の営業利益が3年連続で増加 | 一般産業・EV向けを含めて利益を維持できるか |
| 全社利益率 | 改善途中 | 3.1%から4%台へ改善したが旧目標6.8%に未達 | 通期4.6%予想を実現し、その後も上げられるか |
| 電子部品 | 継続確認 | 2026年3月期は減益、最新1Qは営業赤字 | 車載・HDD向け販売増を通期黒字へつなげられるか |
| 需要分散 | 幅広い | 自動車、建機、産機、電子機器などへ供給 | 分散が売上だけでなく利益安定へつながるか |
| 経営統合 | 期待段階 | 顧客・技術・拠点の補完を想定 | 新計画で利益額、時期、事業別目標が示されるか |
NOKを候補としておすすめできる人
- 自動車だけでなく、建設機械、産業機械、電子機器にも使われる小さな重要部品を重視する
- シール材料、摩擦、振動、FPCなど、機械・材料・電子が交わる事業に関心がある
- 完成済みの高収益企業だけでなく、電子部品の収益改善と事業統合を進める会社も候補にできる
- 現時点ですでに高い営業利益率を安定して出す会社を優先したい
- 成長分野が売上だけでなく利益にも定着している会社を選びたい
- 経営統合で計画や事業範囲が変わる時期を避けたい
- 電動化やソフトウェアなど、より絞った成長分野を重視したい
反対に、現在の高い利益率や、利益化済みの成長事業を優先するなら、同じ年度・指標で他社を比べてから決めるのが適切です。これは会社の事業条件の評価であり、仕事内容や配属が自分に合うかは別に確認する必要があります。
最終判断|NOKを候補に残すか、他社と比べるか
次は、自分に残っている疑問を一つだけ整理する
会社の将来性に納得できても、応募準備や現在の求人が分からなければ応募判断はできません。新卒か転職かに応じて、今足りない情報の確認先を一つ選んでみてください。
自己分析、企業研究、ES・面接準備のうち、今補うものを整理できます。
NOKへの応募準備で足りないものを整理する募集年度や職種だけを確認したい場合は、NOKグループ公式の新卒採用情報を確認できます。
求人、仕事内容、配属、自分の経験との接点のうち、今確認するものを整理できます。
NOKへの転職で不足している情報を整理する現在の募集職種だけを確認したい場合は、NOKグループ公式のキャリア採用情報を確認できます。求人紹介や応募結果を保証するものではありません。
迷っている条件を一つ選び、同じ軸で比べてみる
「現在の利益率」「電子部品の黒字定着」「自動車以外への分散」「経営統合の不確実性」のうち、まずは気になる条件を一つ選びましょう。自動車部品メーカーを同じ年度と利益指標で見ると、会社規模や知名度だけに引っ張られず比較できます。
自動車部品メーカーを同じ軸で比べる利益率や統合後の不確実性が、自分の重視条件に合わない
電子部品の赤字、全社利益率4%台、統合後の計画が未確定という現在地が気になる場合は、NOKを候補から外す判断も自然です。「現在の利益率が高い」「成長事業が黒字化済み」など、外した理由を次の会社選びの条件にできます。
外した理由を条件に変え、自動車部品メーカー比較で別の候補を探してみましょう。
重視する条件から別の候補を探すNOKの現在地を確認できれば十分
シールの収益基盤、電子部品の利益変動、旧目標との差、経営統合の未確定条件まで確認でき、応募や他社比較が必要なければ、ほかのページを読む必要はありません。
金額は特記のない限り会社公表値を億円単位へ四捨五入しています。利益率と一部の増減率は公表値または公表値からの計算です。事業別数値は区分変更と事業売却があるため、注記と合わせて確認してください。将来の業績、採用結果、希望職種・勤務地への配属を保証するものではありません。経営統合や応募条件は、公開・応募時点の公式情報で再確認してください。
確認日:2026年9月2日。通期比較は2024~2026年3月期、最新進捗は2026年8月公表の2027年3月期第1四半期を使用しています。

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