日本曹達は農薬や化学品で知られていますが、医薬品添加剤や半導体材料も扱います。事業別業績と新中期計画を確認し、就職・転職候補に残すかを決めます。
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結論|日本曹達には将来性があるが、投資回収と農薬競争は確認が必要
2026年3月期の売上高は1,520.9億円、営業利益は149.7億円でした。前期より減収減益でしたが、営業利益率は9.8%です。ケミカルマテリアルとアグリビジネスがそれぞれ50億円を超える営業利益を生み、物流、エンジニアリング、環境関連も黒字でした。
2027年3月期第1四半期は売上高342.5億円、営業利益37.3億円となり、前年同期比で4.9%増収、18.3%増益でした。農薬の輸出と物流が伸び、ケミカルマテリアルも減収ながら増益です。
既存の化学材料と農薬が利益を支えながら、医薬、半導体材料、新しい農薬へ投資しています。一方、2027年3月期の通期営業利益予想は142億円で前期を下回ります。新設備の販売量と利益、農薬の価格競争、新規事業の立ち上がりを続けて確認する会社です。
日本曹達の事業内容|化学材料と農薬が利益の中心
日本曹達は、完成品よりも、その性能や生産を支える材料を企業へ提供する化学メーカーです。主な5事業を簡単に整理します。
| 事業 | 主な製品・サービス | 使われる分野 | 会社での役割 |
|---|---|---|---|
| ケミカルマテリアル | 医薬品添加剤、樹脂添加剤、半導体フォトレジスト材料、工業薬品 | 医薬、電子材料、環境、幅広い製造業 | 利益率の高い製品を伸ばす中心事業 |
| アグリビジネス | 殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、除草剤 | 果樹・野菜・穀物の病害虫防除 | 海外売上が多い主要な利益源 |
| トレーディング&ロジスティクス | 化学品の販売、危険物・医薬品などの物流 | 化学・建設・医薬など | 安定した売上を支える |
| エンジニアリング | 化学プラントの設計・建設・保全 | 化学工場や関連設備 | 案件の時期で業績が動きやすい |
| エコソリューション | 廃棄物処理、資源リサイクル | 環境対策・資源循環 | 規模は小さいが利益が改善 |
会社の利益を主に支えるのは、ケミカルマテリアルとアグリビジネスです。就職・転職では、同じ会社でも担当事業によって顧客、開発期間、仕事の進め方が変わる点まで分けて確認します。
日本曹達の将来性を判断する5つの視点
- 収益基盤:現在どの事業が売上と利益を支えているか。
- 利益の伸び:一時的な要因ではなく、本業の利益が増えているか。
- 成長分野の収益化:医薬・半導体材料・新しい農薬が実際の販売と利益につながっているか。
- 投資と事業整理:新設備へ投資しながら、採算の低い製品や拠点を整理できているか。
- 中期計画の進み方:発表した目標へ、販売量と利益が近づいているか。
事業別3年業績|ケミカルマテリアルと農薬が利益を支える
全社業績は独立した表にせず、事業別業績と同じ表で確認します。単位は億円で、各欄は売上高/営業利益です。
| 事業 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 3年の読み方 |
|---|---|---|---|---|
| ケミカルマテリアル | 360.6/30.8 | 364.4/60.7 | 374.1/57.2 | 高付加価値製品が増え、利益水準は3年前を上回る |
| アグリビジネス | 530.4/66.7 | 535.9/51.2 | 525.0/54.9 | 主要利益源だが、出荷時期や海外の価格競争で変動 |
| トレーディング&ロジスティクス | 409.0/21.5 | 428.2/24.2 | 438.1/22.7 | 売上は3年連続で増加 |
| エンジニアリング | 163.4/17.3 | 131.4/23.7 | 85.2/11.4 | 工事件数や時期で売上・利益が動く |
| エコソリューション | 80.9/1.6 | 92.1/1.0 | 98.6/5.3 | 規模は小さいが直近の利益が改善 |
| 連結合計 | 1,544.3/138.7 | 1,552.0/160.6 | 1,520.9/149.7 | 利益は3年前より高いが、直近は減益 |
2024年3月期からの新しい事業区分で比較しています。連結合計には各事業間の調整が含まれるため、5事業の単純合計とは一致しません。
ケミカルマテリアルは、医薬品添加剤や樹脂添加剤、半導体向け材料が伸び、3年前より利益水準が上がりました。アグリビジネスは大きな利益源ですが、農薬の先取り需要後の出荷調整や海外価格の影響を受けています。全社利益は安定しているものの、一直線に増えているわけではありません。
2027年3月期第1四半期は農薬の輸出や物流が伸びました。会社の通期予想は売上高1,522億円、営業利益142億円です。農薬の販売価格、新製品の試験費用、医薬・電子材料の販売が計画どおり進むかが次の確認点です。
成長分野と最新進捗|医薬・半導体材料・農薬新剤を確認
医薬品添加剤は増産設備が完成
医薬品の錠剤などに使う「NISSO HPC」は、生産能力を従来の1.5倍にする増産設備が2026年に完成しました。設備が動き始めた後は、販売量とケミカルマテリアルの利益が増えるかを確認します。
半導体・電子材料は既存製品の拡販が中心
樹脂添加剤「NISSO-PB」と半導体フォトレジスト材料「VPポリマー」を成長製品に位置づけています。2027年3月期第1四半期はNISSO-PBの販売が増えました。市場全体の成長率より、日本曹達の出荷量と利益への貢献を見ます。
農薬は成長製品と新剤を海外へ広げる
殺菌剤「ピシロック」「ミギワ」、殺ダニ剤「ダニオーテ」は成長製品です。最新四半期では輸出向け販売が増えました。新しい殺虫剤「NI-40」と生物農薬「NR-44」も開発中ですが、登録、発売、販売拡大までには時間がかかります。
アニマルヘルスと有機EL材料は立ち上げ段階
ペット用サプリメント・動物用医薬品と、有機EL向け発光材料「TADF」を新規事業として育てる計画です。TADFは2028年の量産開始を目指しており、現在の利益柱ではありません。発売時期、顧客採用、売上を順に確認します。
Stage III|研究開発と成長投資を利益へ変えられるか
新中期計画「かがくで、かがやく。Stage III」は2026年度から2029年度までの4年間です。高付加価値製品を増やし、新規事業を立ち上げながら、採算の低い製品や資産も整理します。
| 項目 | 2029年度までの計画 | 分かりやすい確認点 |
|---|---|---|
| 最終利益 | 200億円以上 | 2026年3月期の182.7億円から増やせるか |
| 本業の利益率 | 売上高に対する営業利益率10%以上 | 2026年3月期の9.8%を安定して上回れるか |
| 高付加価値事業 | 2025年度比で売上高50%増 | 医薬・電子材料・成長農薬の販売量が増えるか |
| 新規事業 | 2029年度売上高100億円 | アニマルヘルスとTADFが発売・量産へ進むか |
| 研究開発 | 4年間で350億円 | 新製品の発売と既存製品の改良につながるか |
| 成長投資 | 4年間で300億円 | 新設備の稼働後に売上と利益が増えるか |
研究開発費は前の3年間の201億円から350億円へ増えます。短期的には費用が先に出るため、2027年3月期は営業減益予想です。投資額の大きさより、HPCなどの増産設備が稼働し、販売量と利益が増えるかを見ます。
良い方向へ進む条件は、医薬品添加剤、樹脂添加剤、半導体材料、成長農薬が計画どおり売れることです。反対に、農薬の価格競争、新剤の登録遅れ、新規事業の量産遅れが続くと、研究開発費や設備費の負担が先に残ります。
日本曹達の将来性評価|安定した利益基盤と投資回収を分けて見る
ここまでの業績と計画を、最初の5つの視点へ戻して評価します。
| 評価軸 | 現時点の評価 | 判断理由 | 次に見ること |
|---|---|---|---|
| 収益基盤 | 安定 | 化学材料と農薬がそれぞれ50億円超の営業利益 | 2事業の通期営業利益 |
| 利益の伸び | 足踏み | 3年前より利益は高いが、2026年3月期は減益 | 全社の営業利益率 |
| 成長分野 | 進行中 | 医薬・電子材料・成長農薬で増産と拡販を進める | 販売量、新設備の稼働 |
| 投資と整理 | 転換中 | 増産と研究開発を進めながら、低採算製品を整理 | 投資後の売上と利益 |
| 中期計画 | 始動段階 | Stage IIIは2026年度に始まったばかり | 2029年度目標までの進み方 |
すでに利益を出している化学材料と農薬があり、医薬・電子材料・成長農薬も販売を伸ばしています。新規事業はまだ立ち上げ段階のため、短期の急成長より、数年かけた製品開発と設備の稼働を見られる人に合います。
日本曹達を候補として考えやすい人
医薬、電子材料、環境、農薬まで幅広いテーマがあります。
探索、評価、製造・生産技術まで仕事がつながっています。
農薬や新材料は、評価・登録・顧客採用を経て売上になります。
一方、短期間で利益が大きく伸びる会社を優先する人や、農薬の規制・天候・海外競争の影響を避けたい人は、他社比較を先に進めた方が選びやすくなります。会社の将来性と、自分の専攻・経験・希望勤務地との相性は分けて確認します。
最終判断|日本曹達を就職・転職候補に残すか決める
関わりたい事業を一つ決め、募集内容を確認する
医薬・電子材料、農薬、環境、物流・設備のうち、関心がある事業を一つ挙げます。その後、理系新卒かメーカー転職かに応じて、残っている疑問を一つ確認します。
関心のある事業を決めたら、求人、仕事内容、経験との接点、勤務地のうち、足りない情報を一つ整理します。
転職に向けた不足情報を一つ整理する現在の募集職種は、先に日本曹達の公式エントリーページで確認できます。
まだ決められない理由に合う比較を一つ選ぶ
利益源、成長分野、投資後の利益を同じ軸で比べます。
中堅・ニッチ化学メーカーと比べる専攻、希望職種、勤務地から2~3社へ絞ります。
専攻・職種・勤務地から候補を絞る経験、仕事内容、勤務地、希望条件から比べます。
経験と希望条件から候補を絞る日本曹達に入社したら、最初にどんな仕事をするのか知りたい学生へ
日本曹達の将来性が分かっても、入社後にどの部署で何を担当するかまでは見えてきません。事業や拠点が多い企業ほど、配属先によって仕事内容や身につく経験が変わります。
ビズリーチ・キャンパスは、先輩の所属企業・職種・経歴を見て、話を聞きたい相手を探せる大学別のOB・OG訪問サービスです。若手の仕事や配属後の経験を聞けば、自分が働く姿を想像しやすくなります。
開校大学は公式サイトで確認できます。希望する企業・職種の先輩が登録されているか、訪問依頼が承諾されるかは、企業・職種・時期によって変わります。
- 日本曹達「事業セグメント」
- 日本曹達「2026年3月期 決算概要」
- 日本曹達「2027年3月期 第1四半期決算概要」
- 日本曹達「中期経営計画 Stage III」
- 日本曹達「新卒採用情報」
将来性評価は、上記の公開情報を基にした当サイトの見解です。募集職種や応募条件は変わるため、応募時点の公式採用情報を確認してください。
確認日:2026年9月6日。通期比較は2024~2026年3月期、最新進捗は2026年8月7日公表の2027年3月期第1四半期を使用しています。

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