【就活生必見】トリケミカル研究所の将来性について事業内容や経営戦略から詳細に解説!

こんにちわ!
就活生・転職のために企業分析を行うレイです。

今回は半導体のニッチな分野を独占するトリケミカル研究所の将来性について評価いたします。

気になる方は将来性の評価方法について以下の記事をご参照ください。

今回は2023年1月期通期決算」のデータをもとにトリケミカル研究所の将来性を評価いたします。
それではさっそく見ていきましょう。

目次

トリケミカル研究所について

トリケミカルの事業内容

半導体の製造に用いられる化学薬品を提供

トリケミカル研究所の事業は半導体の製造工程で使われる化学薬品を主に提供しています。

この薬品はウェットエッチングと呼ばれる工程において不要物を除去するために使われております。
エッチングと呼ばれる工程には他にもドライエッチングというのがあり、ウェット:ドライ=1:9の比率で製造されているようです。

つまりトリケミカル研究所は全体の約1割しかないニッチ(競合他社が少ない)な市場で商売をしていることがわかりますね。

他にも太陽電池や光ファイバーに用いられる化学薬品材料も提供しているようです。

Si半導体向けが売り上げの大部分を占める

半導体用の化学薬品を提供するトリケミカルですが、それぞれの事業規模はどうなっているのでしょうか?

事業規模を把握するために各製品別の売り上げについて見てみましょう。(参照:トリケミカル研究所

上図からわかるようにほぼ「Si半導体」がトリケミカル研究所のメイン事業であることがわかります。

Si半導体は大量の電力を扱うパワー半導体の主材料であり、最も注目を集める半導体ですから売り上げの大部分を占めるのは当然かもしれません。

トリケミカルの業績

過去最高益を更新し続ける

それではトリケミカル研究所の業績について見ていきましょう。

営業利益・・・売上高から原価、販管費(人件費、広告費など)を差し引いたもの

営業利益とは?
売上高から原価、販管費(人件費、広告費など)を差し引いたもの

トリケミカル研究所の業績は2019年度から2022年度にかけてすさまじい勢いで成長しています。
年々過去最高益を更新し続ける好調ぶりです。

ニッチな分野と需要増加を味方に

では好調な業績を維持できているのはなぜでしょうか?

まず先ほど説明したようにトリケミカル研究所は全体の約1割の半導体しか製造していない方法にむけて製品を提供しています。
この1割の市場の多くを獲得しているおかげで、競合他社が少なく安定した売上高と営業利益を維持しているわけです。

またデジタル化の普及に伴う半導体の品薄状態は、製造原料であるトリケミカル研究所の化学薬品の需要増加を引き起こしたようですね。

経営戦略

ではトリケミカル研究所が発表している最新の経営戦略について見ていきましょう(参照:トリケミカル)。

自社製品の需要に関してはまだまだ前向きな見方が強く、今後も需要増加を見通しているようです。

それに対してトリケミカル研究所が掲げるのは主に以下の2つになります。

  • 次世代新規材料の量産
  • 台湾工場の生産能力向上

では以上の内容を参考にしながら、トリケミカル研究所の将来性について分析していきましょう。

トリケミカル研究所の中期的将来性

トリケミカル研究所の中期的な将来性は需要増加に対して生産能力が向上していることから安泰であると考えています。
その2つの理由について順番に解説していきましょう。

需要増加による業績の安定化

トリケミカル研究所が発表しているように半導体需要は今後も継続することが見込まれます。
同じような予想を他の半導体メーカーも発表していることから、まだまだ半導体不足は続いているようですね。

つまり今後の半導体需要が継続しトリケミカル研究所の業績が安定することが考えられます。

生産能力向上が売上高に貢献

トリケミカル研究所は2019年度から生産能力の向上に力を入れています。

具体例としては台湾工場の新規設立や国内設備の増強(Annex棟)があります。
特に台湾工場は2020年度から稼働し始め、今年の売上高に大きく貢献しています。

高まる需要に対して生産能力も向上していることから、事業規模はさらに大きくなっていくと考えられます。

以上のことから、トリケミカル研究所の中期的な将来性は安泰であると結論付けました。
では続いて長期的な将来性について見ていきましょう。

トリケミカル研究所の長期的将来性

トリケミカル研究所の長期的な将来性は需要の不透明感を否めずやや不安定であると考えています。

それではその理由について解説していきましょう。

半導体製造工程に不安要素あり

将来性に関わるエッチング技術の違い

そもそもトリケミカル研究所の化学薬品は全体の1割以下しか採用していないウェットエッチングに用いられています。
それに対してドライエッチング工程が現在の半導体生産の主流となっています。

それぞれのエッチング技術における重要なポイントを見ていきましょう。

上図からウェットエッチング技術はコストが低く大量生産に向いているのに対し、ドライエッチング技術は微細加工に向いている違いがあることがわかりました。

そして私はこの微細加工の可否が将来性に関わる大きな要因と考えています。

微細加工で変わる半導体の性能

では微細加工の可否がなぜ将来性に関わってくるのでしょうか?

実は微細加工の有無は半導体の性能に大きく関わってきます。
例えば微細加工した半導体はしていない半導体よりも複雑な操作が可能になったり、電力効率が良くなるなど性能面に大きな違いが生じます。

高性能な半導体が求められる時代に

今後は高性能な半導体が主流になってくる時代になると私は考えています。
IT技術が高まるにつれて、半導体に求められる性能もより多岐にわたるようになってくるからです。

身近な製品で言えば電気自動車や家電があります。
電気自動車や家電製品など長期で大量に電力を消費する製品には電力効率が良い半導体は不可欠です。

つまり半導体の微細加工ができないウェットエッチング技術は今よりもマイナーな方法になってしまうのではないでしょうか?

将来性に関わる海外進出について

これだけだと長期的な将来性はないように思えますが、そうではありません。
その理由について私なりの考えを解説していきましょう。

トリケミカルの強みを活かせる市場選択

トリケミカル研究所の製品は高性能半導体には向いていませんが、半導体を安く大量に生産ができる長所があります。
この長所を活かせる市場があれば、今後のトリケミカル研究所はさらなる成長を遂げることはできるといえます。

発展途上国の多いアジア市場がカギに

発展途上国が多いアジア市場では現在の先進国のように大量に半導体が必要となる時期が来るでしょう。

特にトリケミカル研究所は台湾工場を有していることから、東南アジア諸国向けに販売することは可能です。
地産地消体制を整えコストを抑えることで収益性にも期待できます。

つまり海外市場の獲得を考慮するとトリケミカル研究所の長期的な将来性はあると考えられます。


以上のことから、トリケミカル研究所の長期的な将来性はやや不安定であると結論付けました。

最後に

今回はトリケミカル研究所の将来性について紹介しました。

中期的な将来性は生産能力の向上と需要増加により安泰であるのに対して、長期的な将来性は需要の不透明感から不安定であるとしました。

IT技術はこれからも進歩し、その中心には半導体が存在し続けるでしょう。
その半導体に求められる性能やコストによって、製造工程も変化していくのは間違いありません。

長期的な将来性に関してはあくまで予想でしかありません。
今後も半導体に注目し続け、そのたびに記事を更新していこうと思います。

それではまた次回に!

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