【就活生必見】三菱重工の将来性について経営戦略や事業内容などをもとに詳細に解説!

目次

結論

  • 懸念点はあるがコロナからの回復により中期的な将来性はある
  • 原子力市場の活発化が期待でき長期的な将来性は有望

はじめに

こんにちわ!
就活生・転職のために企業分析を行うレイです。

今回は日本のエネルギー・産業インフラを支える「三菱重工」の将来性について評価いたします。

気になる方は将来性の評価方法について以下の記事をご参照ください。

今回は2023年3月期通期決算」のデータをもとに三菱重工の将来性を評価いたします。
それではさっそく見ていきましょう。

三菱重工について知ろう

三菱重工の事業内容

今回は三菱重工を代表する3つの事業について解説していきます。

世界4位の実力を持つエナジー事業

一つ目は日本の電力供給を支えるエナジー事業です。
この事業は三菱重工の売上高の約半分を占める大規模事業となっています。

主に原子力・火力・地熱発電などの発電機の設計、動力部分のガスタービンの販売を行い、原子力発電機の製造においては世界シェア4位(参照:deallab)の実力を誇っています。

他にも低燃費・低騒音を実現する航空機エンジンや脱炭素化を目指し持続可能社会への貢献も行っております。

様々な社会問題に取り組むプラント・インフラ事業

二つ目は世界中の様々な社会問題に取り組むプラント・インフラ事業です。

この事業は製鉄機械や工作機械などの産業機械や輸送船の製造、交通システムなど幅広い分野に対して製品を提供しています。

近年は世界的なSDGsへの意識の高まりからCO2の回収プラントの製造へ力を入れ、世界シェア1位を獲得しています。

空の安全を手掛ける航空・防衛・宇宙事業

3つ目は就活生に大人気の航空・防衛・宇宙事業です。

この事業では民間航空機や自衛隊機、艦艇、ロケットなど空に関する分野の部品を開発・提供する事業です。
特に民間航空機においては市場シェア1位を獲得しており、日本の航空産業を代表する技術を持っているといえるでしょう。


他にも社会インフラ製品を提供する物流・冷熱・ドライブシステム事業もあるので、詳細が気になる方はリンクから確認してみてください!(参照:三菱重工

三菱重工の業績

コロナショックから立ち直り順調な業績

まずは三菱重工の直近4年間の業績について見ていきましょう。

営業利益・・・売上高から原価、販管費(人件費、広告費など)を差し引いたもの

2022年度の業績は売上高、営業利益ともに順調な様子がうかがえます。
コロナウイルス蔓延前の2019年度水準の業績をようやく上回ることができ、従来の三菱重工を取り戻したようです。

それではなぜ2022年の業績が好調だったのでしょうか?

各分野の需要が大幅に回復

業績が回復したのはアジア諸国のガスタービン需要が回復したからでした。
コロナショックからの立ち直り、経済活動再開に伴い他社と比べ、エネルギー効率の高い三菱重工のガスタービンが選ばれたようです。

また民間旅客機の運航が徐々に増え、日本のJALやANAだけでなく、海外のボーイング社からの注文が増加したことが業績回復の要因だそうです。

三菱重工の経営戦略

まずは三菱重工が発表している最新の経営戦略について見ていきましょう。(参照:三菱重工

上図では文字ばかりでわかりにくいので、要点を押さえていきましょう。

  • 利率7%達成に向け固定費の削減
  • DXへのシフトによる顧客拡大
  • SDGs投資で成長へ

この3つのポイントを念頭に置き、具体的な経営戦略を交えて三菱重工の将来性について考えていきましょう。

三菱重工の中期的な将来性

結論:懸念点はあるが各分野の回復が見込めることから中期的な将来性はある

この結論をもとになぜそう考えられるのか、その考察について説明していきましょう。

今後の需要増加が見込める2つの理由

海外のEV市場拡大に伴いガスタービン需要の増加

一つ目は中国からのガスタービンの注文量が増加する可能性が高いからです。

現在EV市場に最も力を入れている中国は広大な大地に電力供給を行うため、高効率のガスタービンが必要不可欠となります。
そのため三菱重工のガスタービン需要が大きく増加する可能性が高いです。

また実際、中国のガスタービン注文実績は2021年が7台であったのに対し、2022年は27台となっています。
今後の三菱重工の業績にも良い影響をもたらすといえるでしょう。

ボーイング社の生産機増加が業績を後押し

2つ目の理由はボーイング社の注文量が2022年度実績が6割増加(2021年度対比)しているからです。(参照:日本経済新聞

コロナからの回復や飛行機事故からの復旧により、ボーイング社の注文量は着実に増加してきています。
したがって三菱重工の航空機事業において増収増益が今後も見込めると考えられます。

2つの懸念点について

円安による一時的な増収

三菱重工の地域ごとの売上高について見ていきましょう。

ご覧の通り、ほとんどの分野において国内よりも海外の割合が高いのが見てわかります。
つまり三菱重工は現在の円安効果を非常に受けやすい状況にいるわけです。

固定費高への対策

ロシア・ウクライナ戦争の影響が尾を引き、いまだにエネルギー価格の高騰が止まりません。
その影響は人々の生活にとって不可欠なガス代や電気代に見受けられます。

さらに企業にとっては輸送費や原料費の高騰を引き起こし、いわゆる固定費の増加が起こっています。
海外取引が多くエネルギーに関する事業を行う三菱重工にとっては無視できないでしょう。


したがって、固定費増加や円安効果などの懸念点はあるが、需要回復が見込めることから三菱重工の中期的な将来性はあると結論付けました。

三菱重工の長期的な将来性

結論:エネルギー事業は今後成長が見込まれることから三菱重工の長期的な将来性はある

この結論をもとに、なぜ長期的な将来性があるのかを解説していきましょう。

原子力市場の活発化が見込まれる

SDGs実現には原子力の稼働が必須

まず原子力市場の活発化に期待できるのは、日本の地理的状況により発電方法が制限されているからです。

日本は他の国々と比べると海に囲まれ孤立しているだけでなく、国土が狭いという短所があります。
そのため発電方法は立地に依存しにくい火力発電がメインとなっています。(参照:Sustainable Japan

しかしSDGsに関わる「脱炭素社会」の実現を考えると火力発電を使用することはできません
また再生可能エネルギーによる発電は気候変動が激しい日本において不安定な発電方法です。

つまり現在の状況的に日本においては原子力発電が最も有用な発電方法であることが考えられます。

このことから福島原発事故から閑散としていた原子力市場は大きな復活を遂げ、さらなる成長が期待できることが予想できます。

原子力市場の見通し

また三菱重工も今後の原子力市場はより活発化していくことを予想しています。(参照:三菱重工

上図からわかるように、持続可能社会実現のために脱炭素化を目指すには原子力発電が欠かせないと考えられています。

現状では約30基ほどある原子力発電所のうち16基の再稼働が見込まれています。
他にも将来的には再生エネルギーを使用した原子力稼働や安全性の向上を目指し、多くの研究・開発が行われる予定です。

したがって今後の原子力発電市場はより活発化していくことが予想されています。

新サービス展開への期待大

二酸化炭素の流通をDX化する新発想

三菱重工は二酸化炭素の流通を可視化できるデジタルプラットフォーム「CO2NNEX」(以下コネックス)の開発を発表しています。

コネックスが実用化すると何ができるようになるのでしょうか?
その謎を解くために二酸化炭素の流通状況を見ていきましょう。(参照:三菱重工

図の左側のからわかる通り、現状では二酸化炭素を使うためにはいくつもの工程を通る必要があるため非実用的です。

それに対して右図のコネックスは二酸化炭素の流通状況を可視化することで、複雑な工程をスキップすることができます。

例えば二酸化炭素を購入したい人が空気中に存在する二酸化炭素を1g消費することで
二酸化炭素を1g売りたい人は実際に渡す必要はなく空気中に放出できるメリットがあります。

このようにコネックスは二酸化炭素の使用方法を簡潔にしつつ、新たな選択肢を与えるサービスになる可能性があります。

世界的なニーズも期待できるコネックス

このコネックスは日本国内だけでなく、世界的にも需要があると考えています。

例えば中国やアメリカなどのエネルギー消費量が多い地域は、二酸化炭素の発生をなくすことはできないので貯蓄や輸送、販売する必要があります。
また国土が非常に広いため、二酸化炭素を圧縮して輸送するのにもコストがかかってしまいます

そこでコネックスを使用することで圧縮や輸送など無駄なコストを削り、効率的に二酸化炭素を扱うことができます。
このように世界的な需要も期待できるコネックスは大きな可能性を秘めていることがわかります。


以上より、原子力市場の拡大や二酸化炭素の新事業の成長が見込まれることから三菱重工の長期的な将来性はあると考えられます。

最後に

今回は三菱重工の将来性について紹介しました。
売上高を伸ばしづらい状況下にいる三菱重工の中期的な将来性はないのに対して、エネルギー事業の成長が期待できることから長期的な将来性はあると考えています。

コネックスはまだ開発を検討する段階で確証があるわけではありませんが、実現すれば間違いなく需要があるような魅力的なシステムだと私は思います。
今後の動向にしっかりと注目しておきましょう。

それではまた次回に!

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