【就活生必見】AGCの将来性が安泰な2つの理由について経営戦略や業績などをもとに解説!

目次

結論

  • 中期的(~5年間)な将来性は半導体製品需要の増加に伴い期待できる
  • 長期的(5年間~)な将来性は医療分野の成長により良好である
  • TOEICのスコアが他の就活生と差をつける要因か

将来性の評価方法

今回分析するのはAGC株式会社の将来性になります。

AGCの将来性の評価するうえで最も重要なポイントは以下の3つになります。

  • 数年間の各事業内容と業績
  • 今後の経営戦略
  • 現状の社会トレンド

AGCの将来性について上記の3つのポイントをふまえて評価いたします。

詳細な将来性の評価方法が気になる方にはこちら!

今回は「AGC株式会社 2022年12月期決算」を基に企業分析を行いたいと思います。

それではさっそくの各事業状況・経営戦略から見ていきましょう。

各事業状況・経営戦略

AGC株式会社は「ガラス事業」「電子事業」「セラミックス事業」「化学品事業」の4つから構成されています。

それぞれAGCの将来性に関わるのか、事業内容・業績・社会情勢をふまえて考察し、経営戦略を見てきましょう。

ガラス事業

CMでおなじみのガラス事業

ガラス事業は建築用・自動車用ガラスを提供する事業です。

主に建築用ガラスは住宅、自動車用ガラスは自動車の外装に提供されています。
また最近ではカーナビなどの車載用ディスプレイガラスの提供も行っています。

全体業績の40%を占めるビック事業

それではガラス事業の業績からAGCの将来性に影響があるかどうか見ていきましょう。

営業利益・・・本業で計上した売上高から原価、販管費(人件費、広告費など)を差し引いた金額

上図の通り、4年間を通してみると売上高は徐々に増加していることがわかります。
またこの事業はAGC全体の業績の約40%を占める分野であり、重要な立ち位置にいるのがわかります。

価格競争激化により厳しいガラス業界

ではガラス事業は今後のAGCの将来性に関わってくるのか?

私はこの事業によるAGCの将来性への影響はかなり小さいと考えています。
事業規模が大きいことを考慮してもです。

主な理由としてはガラス製品のコモディティ化にあります。
コモディティ化というのは商品が汎用化され、特性や個性が生かされない状態を指します。

業績を見てみるとよくわかると思います。
半導体不足の影響はありつつも自動車はEV車の開発・生産に力を入れており、それに用いられるガラスは需要が回復・増加しているはずです。

つまり自動車ガラス市場が成熟しきってしまい、競合他社と差をつけるのが難しい局面です。

成長よりも安定性を重視した事業

またこの件についてはAGCもコア事業(安定事業)と位置付けていることから、今後の開発・投資に期待できません。
新規製品が開発されない事業に今後の成長性はあまり期待できないのはやむを得ないでしょう。

したがってガラス事業は安定性の高いのに対し成長性が期待できないことから、AGCの将来性への影響は小さいと考えました。

電子事業

液晶やパネルに関する製品を提供する事業

電子事業は先進機能ガラスや液晶ディスプレイなどの電子部品関連製品を提供している事業です。

先進機能ガラスは主にスマートフォンやタブレット端末などのタッチパネル・カバーガラスを提供しています。

他にも半導体製造設備や途中工程に用いられる研磨剤を提供しており、多くの分野に展開していることがわかります。

材料費高騰で営業利益が大幅に減少

それでは電子事業の業績からAGCの将来性に影響があるかどうか見ていきましょう。

上図の通り、2022年度は売上高こそ堅調であるものの、営業利益は大幅に減少しました。

この理由の一つにガラス原料の珪砂(けいしゃ)の価格が大幅に高騰したからです。
これは珪砂を燃やすときに使用する重油などの燃料価格の値上げによるものです。

では電子部品事業の将来性への影響力はあるのでしょうか?

半導体向け製品の需要増加により影響あり

主力のディスプレイ製品の見通しは原油価格、つまり戦争問題が解決するまでは先行きが不明です。

しかし半導体製造装置や研磨剤については話が違います。
2021年から半導体業界は非常に活発であり、やや落ち込みつつもその勢いはまだ止まっていません。

半導体への設備投資がある限り、半導体製造装置や研磨剤はまだ需要があるということです。
電子部品事業は半導体関連製品の需要が堅調であることから、将来性はあると考えています。

化学品事業

かせいソーダ・医療薬品を提供する事業

化学品事業はかせいソーダや塩素製品・フッ素化学品などを提供する事業です。
かせいソーダや塩素製品に関しては東ソーや大阪ソーダなど多くの企業が参入する分野です。

最近は医薬品・医農薬の開発や製造を行うライフサイエンス分野に力を入れているようです。
先に言っておきますが、このライフサイエンス製品は今後のAGCの将来性に大きく関わってくることになります。

昨年度に引き続き好調な業績

では化学品事業の業績について見ておきましょう。

上図の通り、売上高は堅調に上昇し続けており好調な業績を維持しています。
この理由として円安による増収、各分野の製品需要増加によるものです。

では

今後はライフサイエンス製品に期待

好調の主な要因としてはかせいソーダ・塩素製品の需要が中国を中心に爆発的に急増したことが挙げられます。
中国で電力規制があり、かせいソーダ類の生産が滞ったことが原因だったようです。

しかしあくまで一時的な需要であり、今後はほぼ横ばいになるとAGCは考えているようです。
そこまで大きな成長が見込めず、ライフサイエンス製品以外はコア事業内容として生産効率上昇を狙っていくようです。

なぜここまで好調なのに今後は厳しいのか?

これについてはかせいソーダ業界シェアNo.1の「東ソー」の企業分析で紹介しています。

ライフサイエンス製品については「AGCの将来性」セクションにて解説します。

まとめるとかせいソーダに関しては成長は見込めないが、ライフサイエンス製品への期待大であることから、AGCの将来性に関わってくる事業であると考えています。

セラミックス事業

工場の生産効率の改善を行う事業

セラミックス事業はガラス生産工程の改善や地球環境保全などのソリューション事業になります。

環境負荷の低減・生産効率を上げる製品を提供するようなイメージです。

事業規模が小さい事業

それではセラミックス事業の業績からAGCの将来性に影響があるかどうか見ていきましょう。

上図の通り、4年間を通してみると業績は横ばいであることがわかります。
ほかの事業の業績と比べると事業規模がかなり小さいです。

さらに社会的なニーズの高まりやセラミックス事業への投資もありません。

以上のことから、事業規模が小さく今後の需要増加も期待できないのでAGCの将来性には関わらないでしょう。

経営戦略の紹介

さっそくAGCの全体的な経営戦略について見ていきましょう。

(参照元:AGC株式会社 2030年にありたい姿実現に向けて
(参照元:AGC株式会社 2030年にありたい姿実現に向けて

この図ではAGCの将来性を担う「戦略事業」と安定性を担う「コア事業」に分けて大まかな方針を示しています。

ここで抑えておきたいポイントはこちらになります!

  • コア事業は生産効率向上などの収益性を高める
  • 戦略事業は成長期として製品開発の投資を行う
  • エレクトロニクス・ライフサイエンス・モビリティ分野への期待大

これらについてはしっかり押さえておきましょう。
より詳細な経営戦略については後ほど紹介いたします。

では以上のことをふまえてAGCの将来性を考察していきましょう。

AGCの将来性

各事業の業績・現在の社会情勢・経営戦略をもとに「私の考えるAGCの将来性」を中期的(~5年)・長期的(5年~)に分けて解説いたします。

まずは中期的なAGCの将来性について解説します。

中期的な将来性は良好!

業績が好調な半導体事業

中期的(~5年間)なAGCの将来性は電子事業の成長により良好であると考えています。

電子事業の中でもEUVマスクブランクス製品は大きな成長が見込まれています
この製品は主に半導体製造に用いられています。(詳しく知りたい方は「AGC EUVマスクブランクス」)

2021年度は半導体市場の需要過多のため、多くの半導体メーカーが過去最高益を更新しております。
今後もさらなる拡大が期待されており、半導体メーカーは今後も設備投資を行う予定です。

今後も拡大していく市場規模

実際にAGCがどれだけ市場の成長を予想しているか見ていきましょう。

(参照元:AGC株式会社 2030年にありたい姿実現に向けて
(参照元:AGC株式会社 2030年にありたい姿実現に向けて

上図の左側のように今後は急激な売上高の上昇を予定しています。
それに備えて右側では設備投資により生産能力がどれだけ向上するかを示しています。

私もまだまだ成長発展が続く分野と考えています。
主な要因としてはデジタル化やEV車の普及による半導体需要の増加です。

今後の短期的な流行としてEV車は特に注目です。
SDGsに関する意識の高まりから環境負荷の小さいEV車の大量生産は多くの自動車メーカーの課題となっています。

またEUVだけでなく、カメラ用のイメージセンサーの需要も5G関連製品として需要拡大が期待できます。

以上のことから、デジタル化やEV車の普及による需要拡大により中期的なAGCの将来性は保証されていると考えています。

長期的な将来性は超安泰!?

長期的なAGCの将来性はライフサイエンス製品の需要拡大により安泰であると考えています。

医薬品分野は市場拡大が見込まれる

おさらいですが、ライフサイエンス製品とは医薬品・医農薬の製造・開発を行っています。
特に医薬品分野の市場拡大が見込まれており、下図のようになっています。

(参照元:AGC株式会社 2030年にありたい姿実現に向けて
(参照元:AGC株式会社 2030年にありたい姿実現に向けて

上図の左側のように今後の市場成長は急激に加速していくと見込まれています。
またAGCの売上高は予定額を大幅に更新し、予定よりも前倒しで成長しているほどです。

少子高齢化社会がさらなる市場拡大をけん引

需要拡大の背景には日本の少子高齢化社会問題があると考えています。

急増する高齢者に伴い、医療分野の技術開発や医薬品製造は急ピッチで進んでいます。
特にAGCが手掛ける医薬品は私たちが薬局や病院でもらう錠剤など身近な製品です。

高齢者にとって普段処方される医薬品は必要不可欠ですよね。

また新型コロナウイルスのように今後も新たな病気が発生するのは避けれません。
そのたびに新薬の開発・製造は行われていくでしょう。

長期的な成長が見込めるのは高齢化社会問題の解決見通しが立っていないので、ここ10年間は医療分野の成長期間になると私は考えています。

以上より高齢化社会問題を背景にライフサイエンス製品の需要拡大が見込め、長期的なAGCの将来性は安泰であると考えています。

AGCから内定をもらうためには!?

今回はAGCの将来性について紹介いたしました。
個人的にライフサイエンス事業が成功する可能性は非常に高いと考えています。

ちなみにAGCは将来性があるだけでなく、知名度が高いため就職難易度は非常に高いといえます。
最後になりますが、AGCから内定をもらう秘訣について私なりに調べ、考えてみました。

ライフサイエンス事業が内定の要

成長事業に人員を投資

会社側からすれば安定事業よりも成長事業に人を配属したいはずです。

安定事業は人員削減でコスト削減を目指す

そのため皆さんのような若くて成長見込みがある新卒社員は成長事業に配属されやすいと推測しています。
つまりAGCの場合、新卒社員はライフサイエンス事業に配属されやすいと考えました。

ライフサイエンス事業の今後の展開

AGCが発表しているライフサイエンス事業の展開について調べていたら、以下のようなスライドがありました。

どうやらライフサイエンス事業はグローバル展開を目指しているようです。
現時点でヨーロッパや米国にそれぞれバランスよく拠点があり、今後もどんどん進出していくでしょう。

では実際に海外進出を目指すAGCから内定をもらう上で必要なモノは何でしょうか?

もうお分かりかと思いますが、英語力になりますよね。
AGCのホームページの「よくある質問」のところにも記載されているように英語力は必要となっています。

TOEICの点数でまわりと差をつけろ!

まとめるとAGCから内定をもらいやすくなるためには高い英語力が一つの武器であることがわかりました。

特にAGCのような大手企業には、優秀な大学からエントリーする就活生が多く、差がつきにくいことが多いです。
TOEICの点数が高ければ高いほど面接官の目につきやすいといえます。

つまり本気でAGCに就職したいと考えている就活生はTOEICの点数を上げておく必要があります。
今からでも遅くないので、ご自分に合った方法で高い英語力を目指してみてください。

ちなみに私もTOEICの点数が必要だったので、就活生の頃に必死に勉強していました。
そのころの経験談も記事になっているので是非チェックしてみてください!

それではまた次回に!

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