KOKUSAI ELECTRICの将来性を考えるとき、成膜装置の強さと半導体投資の波は切り離せません。装置・サービスの売上と利益の変化をもとに、応募を検討するか、他社と比べるか判断できます。
結論|成膜装置に強いが、半導体投資の波を受ける
| 収益基盤 | 装置が主力 | 成膜・膜質改善装置の販売が中心で、保守や部品などのサービスも売上を支えます。 |
|---|---|---|
| 成長分野 | 先端用途 | 高性能DRAM・ロジック向けの投資を背景に、装置の販売が直近の四半期で伸びました。 |
| 確認点 | 需要の変動 | 装置需要が続くかに加え、売上高の伸びを中期目標の利益率につなげられるかが焦点です。 |
KOKUSAI ELECTRICは何で稼ぐ会社か
KOKUSAI ELECTRICは、半導体の回路を作る前工程で使う装置を開発・製造・販売しています。主力のバッチ成膜装置は、複数枚のウェーハに薄い膜を一度に形成する装置です。立体的で複雑な回路にも均一に膜を付ける技術が求められます。もう一つの柱であるトリートメント装置は、形成した膜の質を改善します。
DRAM、NAND、ロジック半導体などを作る顧客の設備投資に合わせて、成膜・膜質改善装置を納めます。設備投資が増える局面では売上が伸びやすい一方、投資の延期は業績に響きます。
稼働中の装置に対する保守、修理、部品供給、改造などを提供します。設置台数が増えれば仕事の広がりにつながりますが、サービスだけで装置売上の変動を完全に埋められるわけではありません。
会社は半導体製造装置事業を単一セグメントとして開示しています。装置とサービスは売上の内訳であり、それぞれの営業利益は公表されていません。公式の事業紹介で装置の役割も確認できます。
KOKUSAI ELECTRICの将来性を見る5つのポイント
装置の売上に加え、保守・部品のサービスがどの程度積み上がっているか。
顧客の設備投資が増えたときに利益が伸び、投資が鈍ったときにどの程度落ち込むか。
先端DRAMやロジック向けの技術が、装置の採用と実際の売上につながるか。
研究開発や生産能力の増強が、需要増に対応しながら利益率も守れるか。
売上高の目標だけでなく、調整後営業利益率の目標にも近づいているか。
各項目の考え方は、企業の将来性を判断する5つのポイントで確認できます。
業績推移|装置とサービス、連結利益の3年変化
2025年3月期は装置売上の拡大に伴って利益が伸びました。一方、2026年3月期はサービス売上がわずかに増えたものの、装置売上の減少が大きく、連結営業利益は前期より減っています。
| 項目 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 装置の売上高 | 1,420億円 | 1,916億円 | 1,871億円 |
| サービスの売上高 | 388億円 | 472億円 | 480億円 |
| 連結売上高 | 1,808億円 | 2,389億円 | 2,351億円 |
| 連結営業利益 | 307億円 | 513億円 | 418億円 |
| 連結営業利益率 | 17.0% | 21.5% | 17.8% |
売上高と営業利益は決算短信の百万円単位の数値を億円に四捨五入し、装置・サービスの内訳は決算説明資料の概数を用いています。このため、内訳の合計と連結売上高が1億円ほどずれる年度があります。営業利益はIFRSの連結営業利益で、装置・サービスごとの利益ではありません。
売上の地域構成にも注意が必要です。2026年3月期の中国仕向け売上高は約906億円で、連結売上高の約39%を占めました。2027年3月期第1四半期の中国仕向け売上高の構成比は28%ですが、通期と四半期では期間が違うため、依存度がこのまま下がるとは断定できません。中国を含む各地域の設備投資が、装置売上を左右します。
2026年3月期の営業利益418億円には、常備在庫品の評価減に関する見積もり変更で増えた約18億円が含まれます。それでも前期の513億円を下回りました。売上高が増えた年度だけを見ると見落としやすい、装置需要と利益率の変動です。
出典:2025年3月期決算短信、2026年3月期決算短信、2027年3月期第1四半期決算説明資料。
成長施策と最新進捗|先端DRAM・ロジック向け装置とサービス
半導体が微細化・立体化するほど、狭く深い部分へ均一に膜を付ける技術が重要になります。会社はバッチALDによる成膜、膜質改善、納入済み装置へのサービスを伸ばす方針です。砺波事業所の隣接地も取得し、今後の生産・開発能力を広げる余地を確保しました。
直近はDRAM・ロジック向けが伸びた
2027年3月期第1四半期(2026年4~6月)の連結売上高は754億円、IFRS営業利益は159億円でした。前年同期に比べ、DRAM向け装置売上は158%、ロジック・ファウンドリー向けは82%増え、サービス売上も119億円から170億円に伸びました。一方、NAND向け装置売上は前年同期比34%減です。AI関連の投資が追い風でも、用途ごとの動きは同じではありません。
会社予想と中期目標は分けて読む
2026年8月6日の上方修正後は、連結売上高3,400億円、IFRS営業利益794億円を見込みます。調整後営業利益率の予想は25.3%です。いずれも通期実績ではありません。
売上高3,300億円以上は2027年3月期、調整後営業利益率30%以上は2028年3月期の達成を目指します。売上目標を予想上は超えても、収益性の目標にはまだ距離があります。
直近の好調さを就職・転職先として評価するなら、装置販売の増加が続くかに加え、拡大した生産能力を生かして利益率を高められるかが大切です。2027年3月期第1四半期末の自己資本比率は60.6%、現金及び現金同等物は570億円でした。財務面には投資を続ける余地がある一方、需要が予想どおり続くかは別の問題です。
出典:2027年3月期第1四半期決算説明資料(2026年8月6日)、公式の経営戦略。
将来性評価|5つのポイントで見る強みと注意点
| 評価軸 | 評価 | 判断理由 | 今後の確認点 |
|---|---|---|---|
| 収益基盤 | 強い | バッチ成膜などの装置に強みがあり、保守・部品のサービスも売上を支えています。 | サービスの伸びが装置売上の変動をどこまで和らげるか。 |
| 利益の伸びと変動 | 変動あり | 2025年3月期に増益後、2026年3月期は装置売上と連結営業利益が減りました。 | 顧客の設備投資が一巡した局面での利益率。 |
| 成長分野の収益化 | 進展 | 直近の第1四半期はDRAM・ロジック向け装置が伸びました。 | 先端用途への採用が通期の売上と利益につながるか。 |
| 開発・生産への投資 | 要確認 | 研究開発と生産能力の増強を進め、需要拡大に備えています。 | 増えた能力を活用し、費用増を上回る利益を得られるか。 |
| 中期計画の進捗 | 売上が先行 | 2027年3月期の会社予想は売上目標を超えますが、調整後営業利益率予想は25.3%です。 | 2028年3月期の目標30%以上へ利益率を高められるか。 |
成膜技術と先端半導体向けの需要には成長余地があります。ただ、会社予想の増収が実現しても中期目標の利益率には届いておらず、設備投資が変動する中で収益性を高められるかが評価を左右します。
バッチ成膜などの技術と、DRAM・ロジック・NANDの製造設備が高度化する機会を重視する人には検討する価値があります。技術の強さと短期業績の変動を分けて見られることも大切です。
利益の安定性、事業の分散、勤務地や職種を重視するなら、装置企業やデバイス企業と比べると判断しやすくなります。会社の成長性だけで、自分の配属や仕事内容までは決まりません。
最終判断|KOKUSAI ELECTRICへの応募を検討するか、他社と比べるか
KOKUSAI ELECTRICの給与・待遇
- 平均年間給与
- 2026年3月期の提出会社単体で約961万円、平均年齢44.1歳。賞与と基準外賃金を含む社員全体の平均で、入社時の提示年収ではありません。
- 新卒初任給
- 2026年4月実績は修士了が月額32万2,500円、学部卒が月額29万8,500円。平均年間給与とは対象が異なり、この月額から年間給与は計算できません。
- 賞与・住宅制度
- 新卒募集要項では賞与は年2回。富山事業所近くの独身寮や住宅手当があり、寮は年齢・通勤時間などの入居条件があります。制度の適用は勤務地や会社規程によって変わります。
出典:2026年3月期の有価証券報告書、公式の新卒募集要項、研修・福利厚生。
ほかの会社の年収や賞与、住宅制度との違いは、比較記事で確認できます。
半導体メーカーの年収・待遇を比較するKOKUSAI ELECTRICで働くことを考える
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同社の募集職種は公式の経験者採用一覧でも確認できます。
重視する条件から比較先を選ぶ
成膜技術の強さだけでは応募先を決めきれないなら、会社の成長性、職種・勤務地、経験との適合を分けて比べられます。
装置・デバイスなど、企業ごとの成長要因と変動要因を比べられます。
半導体企業の将来性を比べる専攻・職種・勤務地の違いから、応募を考える会社を絞れます。
専攻・職種・勤務地で比べる経験と仕事内容、希望する条件を合わせて比べられます。
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