日産化学は、半導体材料と農業化学品を利益の柱とする高収益企業です。3年間の業績と中期計画、最新四半期を確認し、応募を検討するか他社と比べるかを決めます。
結論|半導体材料と農業化学品が強く、新製品の育成が次の焦点
| 収益基盤 | 強い | 機能性材料と農業化学品が利益の柱となり、全社営業利益率は3年連続で20%を超えています。 |
|---|---|---|
| 成長分野 | 進展 | 半導体材料が増収をけん引し、EUV・三次元実装材料や新しい農薬も育成しています。 |
| 確認点 | 要確認 | 利益が2事業に集中するため、新製品売上の拡大と化学品・ヘルスケアの改善を確認します。 |
日産化学は何で稼ぐ会社か
日産化学は、半導体やディスプレイに使う材料と、農薬・動物薬を主な利益源とする化学メーカーです。基礎化学品から医薬品まで扱いますが、事業ごとに利益の大きさは異なります。
| 事業 | 主な製品 | 特徴 |
|---|---|---|
| 機能性材料 | 半導体用反射防止材・多層材料・EUV材料・三次元実装材料、液晶配向材、コロイダルシリカ | 半導体材料を中心に成長し、2026年3月期の営業利益が最も大きい |
| 農業化学品 | 除草剤、殺虫剤、殺菌剤、動物用医薬品原薬フルララネル | 国内外の複数製品が安定した利益を支え、新しい農薬も育成している |
| 化学品 | 基礎化学品、高純度硫酸などのファインケミカル | 売上規模はあるが利益率は低く、高付加価値品の拡大とコスト改善が課題 |
| ヘルスケア | 医薬品原薬、後発医薬品、医薬品の開発・製造受託 | 規模は小さく、既存品の維持と新製品の早期収益化を進める |
機能性材料と農業化学品は、異なる市場を相手にしながら、2026年3月期の事業別営業利益の大半を生みました。この2本柱が強みである一方、半導体需要や農薬の販売時期によって四半期の利益は動きます。
日産化学の将来性を見る5つのポイント
- 収益基盤:機能性材料と農業化学品が高い利益を保ち、全社を支えられるか。
- 利益成長:半導体材料の販売増を、年間の増収・増益につなげられるか。
- 成長分野の収益化:次世代材料、新しい農薬、新製品の売上を計画どおり増やせるか。
- 事業改善:化学品の利益率を高め、ヘルスケアの減益を止められるか。
- 計画実行:2つの主力事業に続く利益源を育て、成長を持続できるか。
業績推移|機能性材料が伸び、農業化学品が利益を安定させる
連結売上高と営業利益は3年連続で増え、2026年3月期の営業利益率は22.7%でした。機能性材料は半導体・無機材料の販売増で伸び、農業化学品は利益のもう一つの柱です。
| 事業 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 |
|---|---|---|---|
| 連結合計 | 売上高 2,267億円営業利益率 21.3% | 売上高 2,514億円営業利益率 22.6% | 売上高 2,796億円営業利益率 22.7% |
| 機能性材料 | 売上高 846億円営業利益率 26.6% | 売上高 1,001億円営業利益率 29.3% | 売上高 1,134億円営業利益率 31.1% |
| 農業化学品 | 売上高 821億円営業利益率 28.5% | 売上高 862億円営業利益率 30.0% | 売上高 962億円営業利益率 27.0% |
| 化学品 | 売上高 356億円営業利益率 約0% | 売上高 378億円営業利益率 1.1% | 売上高 393億円営業利益率 2.8% |
| ヘルスケア | 売上高 63億円営業利益率 44.4% | 売上高 60億円営業利益率 31.7% | 売上高 52億円営業利益率 26.9% |
3年間で最も伸びたのは機能性材料です。農業化学品も高い利益率を保ちましたが、化学品は改善途中、ヘルスケアは売上高と利益が減っています。
主要4事業以外に卸売・その他・全社調整があるため、各事業の合計は連結合計と一致しません。会社は2026年3月期から一部共通費の配賦方法を変更し、2025年3月期だけ新方式へ置き換えています。事業別利益率の厳密な比較は2025年3月期以降を中心に見てください。
Vista2027 Stage II|2つの主力事業と新製品を次の成長につなげる
日産化学は2025~2027年度の中期計画で、機能性材料と農業化学品へ経営資源を集中しながら、化学品とヘルスケアの収益改善を進めます。
| 項目 | 会社の方針・目標 | 現在地 | 今後見ること |
|---|---|---|---|
| 伸ばす分野 | 半導体材料・無機コロイド、農薬・動物薬へ重点配分 | 2027年3月期第1四半期は機能性材料が売上高326億円、営業利益107億円 | 半導体材料の販売増を年間の利益成長につなげられるか |
| 新製品 | 次世代材料・新しい農薬・新製品の売上高を2024年度113億円から2027年度253億円へ | EUV・三次元実装材料、新除草剤ベルダーなどを育成中 | 研究開発品が採用・販売の段階へ進み、計画売上に届くか |
| 立て直す分野 | 化学品の高付加価値化とコスト削減、ヘルスケアの早期収益化 | 2026年3月期は化学品が増益、ヘルスケアは減収減益 | 主力2事業以外から安定した利益を生み出せるか |
| 全社目標 | 2028年3月期に売上高2,930億円、営業利益650億円、営業利益率20%以上 | 2027年3月期予想は売上高2,897億円、営業利益668億円 | 目標到達後も、新製品と既存製品で利益を伸ばせるか |
最新の第1四半期は売上高788億円、営業利益219億円で、ともに前年同期を上回りました。半導体材料の需要増が主因ですが、円安に加え、一部固定費と在庫影響が第2四半期以降へずれた効果も含みます。
通期の営業利益予想668億円は中期計画の2027年度目標650億円をすでに上回ります。目標達成の有無だけでなく、新製品売上の拡大と主力2事業以外の改善が続くかを見る必要があります。
将来性評価|高い収益力を評価し、2事業への集中と次の成長源を確認する
| 評価軸 | 評価 | 現在の判断 | 今後の確認点 |
|---|---|---|---|
| 収益基盤 | 強い | 連結営業利益率は3年連続で20%を超え、2事業が利益を支える | 農薬の製品構成が変わっても高い利益率を保てるか |
| 利益成長 | 伸長 | 売上高・営業利益は3年連続で増加し、半導体材料がけん引 | 四半期の一時要因を除いても年間増益になるか |
| 成長分野の収益化 | 進展 | EUV・三次元実装材料、新しい農薬の販売を拡大中 | 新製品売上253億円の目標に近づくか |
| 事業改善 | 要確認 | 化学品は改善したが、ヘルスケアは減収減益 | 主力2事業以外の利益が継続して増えるか |
| 計画実行 | 先行 | 最新の営業利益予想は中期計画の最終目標を上回る | 目標到達後も成長を続ける製品を育てられるか |
高い収益力を持つ半導体材料と農業化学品を軸に、次世代材料や新しい農薬の成長を重視する人です。
2事業への利益集中を避け、より多くの事業が同程度の利益を生む会社を優先したい人です。
日産化学の強みは、売上規模の拡大だけでなく、20%を超える全社営業利益率を維持している点です。今後は半導体材料と農業化学品の成長を続けながら、新製品と改善事業が次の利益源になるかで評価が分かれます。
最終判断|日産化学への応募を検討するか、他社と比べるか
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