はじめに
こんにちわ!
就活生のために企業分析を行うレイです。
今回は日本のIT技術を代表する「NTTデータ」の将来性について評価いたします。
気になる方は将来性の評価方法について以下の記事をご参照ください。
今回は「2022年3月期通期決算」のデータをもとにNTTデータの将来性を評価いたします。
それではさっそく見ていきましょう。
NTTデータについて知ろう
NTTデータを代表する3つの事業
金融事業
まず一つ目は銀行や証券会社のITインフラを支える金融事業になります。
ITインフラといわれるとわかりにくいですが、クレジットなどのキャッシュレス決済システムを指しています。
つまり皆さんがクレジットカードを使うたびにNTTデータにお世話になっているということです。
他にもこれまでの実績と技術をもとにデジタルコンサルティングを行っているようです。
生活基盤事業
続いて人々の生活に必要な交通、電力、農業などを支える生活基盤事業です。
多種多様な情報システムの運用や開発を行うことで私たちの生活を便利にするだけでなく、災害対応システムなど人々が安全に生活を送るためのシステムも展開しています。
ほかにも官公庁が推進するマイナポイントのポータルサイトの運営など日本国内のIT化にも貢献しています。
医療・ヘルスケア事業
最後に新医療システムの開発や創薬を行う医療・ヘルスケア事業についてです。
日常的な疾病予防を支える健康システムや急病、災害発生の救急搬送システムなど、医療現場のニーズに応える事業となっています。
他にも事業を展開しているので、気になる方はNTTデータのホームページをご覧ください。
NTTデータの全体業績について
右肩上がりの成長を続ける好調な業績
まずはNTTデータの直近四年間における全体業績について見てみましょう。
ご覧の通り、ここ四年間において売上高は年々増加しているようです。
また営業利益に関してはコロナの影響でやや低迷しつつも、去年度にはしっかりと上昇しているようです。
ではなぜここまで業績が好調なのでしょうか?
ITコンサルの需要が急激に増加
NTTデータの業績が好調なのは、コロナウイルス蔓延に伴うデジタル需要が増加したからです。
リモートワークやネットショッピングの必要性が高まり、インターネットコンテンツを整備しようとする流れがあります。
特にIT系の人材は枯渇しておりノウハウを得るために、NTTデータが力を入れるITコンサル需要は高まっているようです。
NTTデータの強みと弱み
強みは高い国内市場シェア
NTTデータの強みとして高い国内シェアがあります。
2020年度のNTTデータの分野別売上ランキングは以下のようになっているようです。(参照:NTTデータ)
上図左側に注目してみましょう。
クレジットカード等のオンライン決済技術は国内市場No.1として君臨しているようです。
官公庁からの依頼を受けていることも市場シェアが高いことへ影響していると考えられます。
また全体的にみても総合第二位と国内市場の確保はかなり優勢であることがわかります。
弱みは海外進出が遅れていること
それに対してNTTデータの弱みに海外市場のシェアが低い点があります。
国内:海外の売上高はほぼ1:1ですが、日本のIT市場はすでにかなり成熟しています。
そのためさらなる成長には海外市場への進出が不可欠であるといえます。
実際に国別のランキングでは振るわない結果となっています。
ではNTTデータの強みと弱みがわかったところで、経営戦略について見ていきましょう。
NTTデータの経営戦略
まずはNTTデータが掲げる経営戦略の全体を見ていきましょう。
上図をざっくりまとめると「コンサルティング能力」「アセットベースの実現」「技術力の強化」を中心として事業展開をしていくようです。
また一番上の「ITとConnectivity」はIT技術の使用を簡単に使用できるようにすることを意味していると思います。
具体的な経営戦略は後ほど紹介するとして、次はIT業界の今後のニーズを考えていきましょう。
IT業界の今後のニーズを予想
便利で使いやすいモノへの変化
ITサービスに求められるモノは何でしょうか?
私が考えるITサービスの魅力は、手間のかかる作業や無駄の多い行動を簡略化できるところにあるからです。
NTTデータが手掛けるオンライン決済もその一つで、現金を持たなくてもスマホだけで生活ができるようなサービスです。
つまり人々がめんどくさい・時間がかかる作業や行動をIT技術で便利で使いやすいモノへと変化させることが求められるわけです。
サービスは豊富なのに使う能力が不足
近年ではよりよいサービスを追求し、多くの企業が高い技術力を磨いています。
それこそ最近ではオンライン会議は当たり前、paypayなどのオンライン決済が行える店舗も非常に多くなってきました。
しかし最近は「便利」を求めるばかりに人々の「使う能力」が不足しているのではないでしょうか?
技術力ばかり高まっても、それを使える人がいなければ無意味なサービスになってしまいます。
つまりIT業界に求められるのは高い技術力で「便利」を創りつつ、人々が「使う能力」を高めることだと考えています。
それでは以上のデータを参考にしながらNTTデータの将来性について解説していきましょう。
NTTデータの将来性
結論として「今後のIT業界のニーズに沿った経営戦略であることからNTTデータは将来性がある」と考えています。
ではなぜNTTデータには将来性があるといえるのかについて詳しく解説していきましょう。
事業統合でグローバル市場拡大
まず将来性に最も関わるのが2022年10月のNTT Ltd.との事業統合です。
この戦略の狙いは何でしょうか?
技術力に長けていたNTTデータの弱みとして海外市場シェアが低いことが欠点でした。
そこで幅広い海外顧客とITサービスの運営力をもつNTT Ltd.と事業統合することで、さらなる市場シェアの獲得が可能になります。
これによりNTTデータの事業規模は拡大し、より大きな成長が見込めることがわかりNTTデータの将来性はあるといえますね。
ITコンサルティングでさらなる成長へ
ニーズをとらえた戦略
NTTデータが発表している経営戦略の一つにITコンサルティングの強化がありました。
私はこの戦略に特に注目しており、先ほど説明したIT業界のニーズに応える重要なカギだと考えています。
高い技術力を用いて製品を開発するだけでなく、その技術のノウハウや使い方を売っていくことは今後さらに求められていくことでしょう。
このコンサルティングの強化はIT業界のニーズを見越した戦略なのではと推測しています。
事業統合もコンサルティングを後押し
またNTTデータはNTT Ltd.との事業統合で国内市場だけでなく、海外市場まで幅広く販売できることになります。
海外市場でもITコンサルティングのニーズは高まるのではないでしょうか??
実際にNTTデータによると、ITコンサルティングは技術力No.1の北米において需要が高まっているようです。
Ltd.との事業統合でさらに販売力を高めることができますね。
さらに今後の日本のIT技術がさらに高まれば同じ道をたどると考えられます。
国内市場と海外市場どちらも獲得できるNTTデータは大きな成長を遂げそうですね!
以上のことから、ITコンサルティングと事業統合でIT業界のニーズをとらえているNTTデータの将来性はあると考えられます。
最後に
今回はNTTデータの将来性について紹介しました。
ITコンサルティングは非常に大きな成長の可能性を秘めていると感じています。
デジタル化の流れはまだまだ続くとみられ、IT系企業の業績は今後も好調が見込まれます。
しかしそれと同時にIT系の人材不足も深刻化しているようですね。
この人材不足を補うようにITコンサルティングを求める企業が増えるのではというのが私の予想です。
それではまた次回に!
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