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就活生・転職のために企業分析を行うレイです。
今回はIT技術のセキュリティシステムに携わる「デジタルアーツ」の将来性について評価いたします。
気になる方は将来性の評価方法について以下の記事をご参照ください。
今回は「2022年3月期通期決算」のデータをもとにデジタルアーツの将来性を評価いたします。
それではさっそく見ていきましょう。
デジタルアーツについて知ろう
デジタルアーツの事業内容
国内初のセキュリティソフトウェアを提供
デジタルアーツはWebやメール、ファイルなどのセキュリティソフトウェアを提供する事業を行っています。
1988年に国内初のWebフィルタリングソフトを提供したデジタルアーツは、様々なインターネットウイルスやサイバー攻撃などの対策を行ってきました。
デジタルアーツにおいて唯一の事業となっており、多様化社会では珍しい1分野に依存した企業となっています。
代表的な製品やサービスについて
デジタルアーツの製品といえばWebセキュリティソフト「i-FILTER」です。
国内シェアの50%以上を占めている「i-FILTER」を企業や官公庁、学校、一般家庭などに提供しています。
他にもデジタルアーツは他分野に製品を提供していますが、以下の4つを代表としてあげます。
- i-FILTER・・・国内シェアNo.1のWeb向けセキュリティソフト
- m-FILTER・・・導入数No.1のメール向けセキュリティソフト
- ファイナルセキュリティ・・・ファイルの保護を行うセキュリティソフト
- Desk@ Cloud・・・オンライン会議を展開するツール
- i-FILTER・・・国内シェアNo.1のWeb向け
- m-FILTER・・・導入数No.1のメール向け
- ファイナルセキュリティ・・・ファイルの保護が目的
- Desk@ Cloud・・・オンライン会議ツール
以上の4つについては押さえておきましょう。
では続いてデジタルアーツの業績について見ていきましょう。
デジタルアーツの業績について
直近4年間は絶好調な業績
まずは2018年度から2021年度までのデジタルアーツの業績について見ていきましょう。
上図からわかるようにデジタルアーツの業績は右肩上がりに上昇しています。
売上高はたった4年で約1.5倍にも成長しているので驚きですね。
なぜデジタルアーツの業績はここまで好調なのでしょうか?
業績が好調な理由
デジタルアーツの業績が好調な理由の1つに「GIGAスクール構想」という文部科学省主導の政策の影響がありました。
「GIGAスクール構想」を簡潔に表すと「1人1台」のタブレット端末を配布し、教育のデジタル化を行うという政策でした。
私たちが小中学生の頃に黒板で受けていた授業をタブレットで行おうとしたのです。(詳しく文部科学省の公式ページへ)
これにより大量のパソコンやタブレットが必要になっただけでなく、それに対応したセキュリティ対策が必須となりました。
この恩恵を受けたデジタルアーツは好調な業績を納めることができたわけです。
デジタルアーツの経営戦略
4年後までに売上高40%増を掲げる
まずはデジタルアーツの2022年から2025年までの中期経営計画について見ていきましょう。(参照:デジタルアーツ)
デジタルアーツは2025年までに約40%の売上高増加を掲げています。
そのために「新市場への参入」「DACの導入」「ブランドの定着」などを掲げています。
今回はその中でも売上高が約2倍になると期待されている「DAC」に着目していきましょう。
DACのサービス内容と特徴
そもそもDACは「デジタルアーツコンサルティング」の略であり、顧客のセキュリティ問題の解決に取り組むサービスです。
どんなサービスを提供しているのか、今後の方針とともに見ていきましょう。
一見するとただのコンサルティング事業かもしれませんが、ITセキュリティの専門だからこそできるサービスがあります。
通常のコンサルティングなら問題の解決までを行いますが、デジタルアーツは問題の解決後もセキュリティの維持を担うとしています。
ITセキュリティのプロであるデジタルアーツの強みを活かしたサービス内容であり、売上高2倍増も夢ではないかもしれませんね。
それではこれまで紹介した事業内容、業績や経営戦略をもとにデジタルアーツの将来性について評価していきましょう。
デジタルアーツの将来性
この結論をもとにデジタルアーツの将来性について解説していきましょう。
需要増加待ったなしの流行分野
テレワークの導入による需要増加
まず一つ目の要因にテレワークの導入によるセキュリティ対策の普及があります。
コロナにより社員の在宅勤務を余儀なくされた多くの企業はオンラインでのやり取りが増えるようになりました。
しかし企業でのセキュリティ対策はできていても、社員一人一人のパソコンに対してサイバー攻撃やウイルスなどへの対策が追い付いていないのが明白でした。
そのため急速なテレワークの普及に伴い、自社の機密情報の漏洩を防ぐためセキュリティシステムへの投資を行うようになりました。
現在はコロナから徐々に回復しつつも、今後もオンラインでのやり取りが増え続けていくのは間違いないのでさらなる需要増加が見込めるでしょう。
デジタル化普及に伴う意外な需要
またITセキュリティはコロナウイルスだけではなく、デジタル化に伴い意外な需要がありました。
それは子供のガラケーからスマートフォンへの乗り換えでした。
現在は中学生や小学生、幼稚園生までもがスマートフォンを持っているのが当たり前の世代となり、私の世代で当然だったガラケーは徐々に姿を消しています。
しかしネット知識が乏しい子供にスマートフォンが普及することで悪質サイトへのアクセス増加が問題となっています。
また意図しないゲームへの多額課金など、急速なデジタル化のせいで多くのトラブルが起きているのが現状です。
したがってこのようなネットのトラブルから子供を守るフィルタリングソフトがホットな市場となってきています。
特にデジタルアーツによると低機能な無償フィルタリングソフトから高機能なフィルタリングソフトへの乗り換えが目立っているようです。
つまり今後もデジタル化が普及していくことでセキュリティ対策への意識が向上し、デジタルアーツの需要は増加していくことが考えられます。
成長が期待できるDAC
対策が難しいセキュリティシステム
コンサルティングサービスの成長が見込める理由の1つにセキュリティシステムの対策が難しい点があります。
そもそも「セキュリティシステム」と「サイバーウイルス」には表裏一体の関係があります。
例えば新しいサイバーウイルスが発見されればその対策を行うことで、セキュリティシステムは進化します。
逆に新たなセキュリティシステムができれば、その脆弱なポイントをつくように新しいサイバーウイルスが作られます。
このように両者が成長することでITセキュリティシステムは半永久的に変化していきます。
継続的なセキュリティ対策は需要拡大
サイバーウイルスが進化すればするほど一般企業はセキュリティ対策が難しくなります。
だからこそデジタルアーツのセキュリティコンサルティングは需要があるといえるでしょう。
特にデジタルアーツは継続的なセキュリティ対策を掲げたコンサルティングサービスを提供しています。
日々サイバー攻撃の脅威に晒されている企業にとって心強いサービスになりうると考えられます。
以上のことからセキュリティシステムは流行分野なだけでなく、一般企業にとって対策が難しいことからコンサルティングサービスの需要の拡大も期待できることからデジタルアーツの将来性は有望であると考えました。
最後に
今回はデジタルアーツの将来性について分析いたしました。
デジタル化の普及に伴うセキュリティ需要やコンサルティングサービスの有用性の観点からデジタルアーツの将来性は期待できそうですね。
セキュリティ関連業界はコロナにより急激に市場が広がった業界の一つです。
今が最もホットな時期であり、競争倍率も非常に高いと思います。
また現在はデジタルアーツだけでなく、情報セキュリティに特化した企業が増えてきているので別の機会に紹介したいと思います。
それではまた次回に!
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